沼津餃子って?地元民が熱狂する「中央亭」の謎 「クタッとした餃子」から感じた自信と誇り
静岡で餃子といえば、やはり浜松。2023年の総務省家計調査によると、浜松市における餃子の1世帯あたりの年間支出額は4041円と宮崎や宇都宮を抑えて日本一。静岡どころか日本を代表する餃子といってもよいだろう。
筆者も浜松餃子は何度も取材したし、プライベートでも幾度となく食べた。キャベツや玉ネギがたっぷりと入ったあっさりとした味わいゆえに、10個でも20個でもペロリと食べられる。浜松餃子が一番だろう。ずっとそう思っていた。
注文したその日に食べられない幻の餃子
ある日、編集担当からこんな話を聞いた
「グルメの友人からの情報ですが、沼津餃子ってご存じですか? もともとクタッとしているので持ち帰りでもおいしいそうで、友人いわく『日本一のご当地餃子』だそうです」
沼津餃子は初耳だった。浜松餃子や富士宮やきそばのようにご当地グルメで町おこしをする団体があるのだろうか。ところが、「沼津餃子」でネット検索してもヒットせず、画面に映し出されるのはJR沼津駅からほど近い「中央亭」という店の情報ばかり。この店に電話をして沼津餃子について聞いてみることにした。
「当店は沼津餃子と名乗ったことはありませんが……」と、どこか戸惑った様子が伝わってきた。とりあえず、店へ行って話を聞かせてもらうことにした。
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