遂に決勝「キングオブコント2024」見所を徹底解説 今年はどんな傾向?準決勝も注目株が揃う

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

2年前、彼らにインタビューしたところ、セリフ量の黄金比は「ロングサイズ伊藤:5、本間キッド:4、中嶋享:1」だと語っていた。つまり、ザ・ドリフターズや東京03のように役割分担がはっきりしているのだ。

今年も、熱くクレイジーな男(伊藤)、秀逸なリアクター(本間)、飄々としたバイプレーヤー(中嶋)は健在だった。2021年にKOC王者となった空気階段は、2019年、2020年と連続で決勝に進出し、3度目の正直で大会を制覇。このパターンに乗って、彼らが栄光を手にするかもしれない。

また、2022年に準優勝したコットンの西村真二ときょん、2年連続5回目のファイナリストとなったラブレターズの塚本直毅と溜口佑太朗も、“日常の中の異物”を各々のタッチで描き準決勝で大いに笑わせていた。どちらも実力は十分なだけに、今度こそ王者となるかもしれない。

コント職人vs多彩なコンビ

もう1つのタイプ、非日常型のコントで注目しているのがファイヤーサンダーだ。昨年から2年連続で決勝進出。ここにきて、彼らの実力が認められているのは、率直にストイックにコントを作り続けた結果だと感じる。

ハナコ・秋山寛貴らと同様、“コント職人”と呼ばれる﨑山祐が生み出すネタは、非日常の範疇に留まらない。彼らのYouTubeチャンネルを覗けばわかるが、「行列のできるラーメン屋」「撮り鉄」といった日常から「ダイイングメッセージ」のような刑事モノ、「未来からきた救世主」に見られる近未来的な世界まで設定は実に幅広い。

キングオブコント2024 ファイヤーサンダー
(画像:番組公式YouTubeより引用)

一貫しているのは、相方のこてつが大きなリアクションで笑わせること、“ネタバラシ”からシステマチックな展開で笑わせることの2点だ。とくに非日常型のコントは、その世界のルールに翻弄されるこてつが妙におかしい。その面白さが今年はよく出ていた。本番で爆発すれば彼らの大会になるだろう。

昨年、「M-1グランプリ」のファイナリストとなったこともあり、漫才のイメージが強いダンビラムーチョの大原優一と原田フニャオ。実は、これまで3度KOC準決勝に進出した実績を持ち、満を持して初の決勝進出を決めている。

そもそも漫才コント、歌ネタ漫才を得意とし、「野球部あるある」のショート動画がバズるなど、ボケ・大原の多彩さは漫才の範囲に収まらないものがあった。今年はそんな彼らが、非日常の中で繰り広げられる実にバカバカしいコントを披露していた。

シチュエーションとキャラクターとの絶妙な対比、後半に向かって着実に見る者を仕留めていくスタイルは、昨年のKOC王者・サルゴリラを彷彿とさせる。昨年、今年と勢いに乗る彼らが王者になる可能性も十分にあるだろう。

一方で、2年ぶり3度目のファイナリストとなったロングコートダディの堂前透と兎、2年連続で決勝に残った隣人の橋本市民球場と中村遊直も、それぞれ違った世界観で会場を沸かせていた。当日、その独特の空気感がハマれば念願の優勝を果たすかもしれない。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事