もうすぐGDP世界3位になる「大国インド」の実情 ヒンドゥー・ナショナリズムが台頭する背景

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両国とも核を保有しお互いに手が出せない(核抑止論)ために戦闘が起きても小規模なものに終わるのか。それとも実際に核が使われることになるのか。両国の対立にはつねに国際社会が目を配る必要があります。

ヒンドゥー・ナショナリズムの台頭

1980年代以降、インドではヒンドゥー・ナショナリズム(ヒンドゥー至上主義)と呼ばれる思想・運動が広がりを見せます。名称から見てヒンドゥー教を重んじる運動のように見えますが、仏教やジャイナ教、シク教といったインドを起源とする宗教は包摂する姿勢をとります。

外来宗教としてのキリスト教やイスラームであっても、ヒンドゥー文化とインド国家に忠誠を誓えば同じ仲間であるという捉え方をします。つまり、彼らのいう「ヒンドゥー」はメタ宗教的な概念なのです。似ているものとしては日本の天皇崇拝です。

キリスト教徒でもイスラームでも天皇を尊崇していれば日本人とみなすというもので、天皇は日本におけるメタ宗教です。でも、日本も戦前・戦中に過剰な天皇信仰によって、宗教弾圧(たとえば大本教事件)が行われたように、ヒンドゥー・ナショナリズムは現在、他の宗教、特にイスラームへの抑圧を強めています。

このヒンドゥー・ナショナリズムの思想および運動の源流をたどると古くからありますが、それはさておき彼らは「民族義勇団=民族奉仕団(RSS)」というグループを結成します。イギリスとナチス=ドイツが戦っていた第2次世界大戦中、イギリスが倒れれば独立できるわけで、RSSはナチス=ドイツを支持していました。インド独立に際し、ムスリムに妥協的な態度をとっていたマハトマ・ガンディーを殺害したのも、RSSに所属していた青年でした。

RSSがヒトラーを擁護する立場は今でも変わっていません。ちなみにインドではヒトラー人気が高く、アイドルみたいな扱いでヒトラーアイスクリームとかヒトラーコーヒーなんてものが平気で売られています。このRSSがつくった政党がインド人民党で、2014年から政権を握っているモディ首相率いる与党です。

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