ビジネスリーダーが“KBS”を選ぶ理由 KBS〈慶應義塾大学大学院経営管理研究科〉

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ケースメソッドとケーススタディ

ところで、ここで注意したいのは、「ケースメソッド」は「ケーススタディ」とは全く異なることだ。「ケーススタディ」は、実際の事例を用いながらも、授業のスタイルはあくまでも教員によるレクチャーである。一方、「ケースメソッド」は、学習者同士の討議を繰り返すことで実践力を身につける教育手法である。ケースは教育の素材ではあるが、現実のものでなくてもよい。「ケースメソッド」では、教員は「教え役」というよりも、学生の意見や考えを引き出す「ファシリテーター」としての役割を担うことになる。

「教員は、研究者として自分の専門領域では学会の最先端で活躍するレベルでありながら、さらにマーケティングや技術動向など、幅広い領域の知識が求められます。このため、本物のケースメソッド授業ができる教員は、国内でも数が限られます。その点で、本校の教員の質や人材の厚みには大いに自信を持っています」と河野教授は胸を張る。

さらに「教育の質」という点でも、KBSは設立当初から、「世界のトップクラス」という目標を掲げてきた。国際認証機関による評価はその証しだ。2大国際認証機関である「AACSB」および「EQUIS」の両方の認証を得ているビジネススクールは、日本ではKBSだけである。

2015年4月、エグゼクティブに特化した日本初のMBAプログラムがスタート

KBSにはこれまで、2年間全日制の「フルタイムMBA」および短期間の「エグゼクティブセミナー」という2つのプログラムがあった。いずれも開設以来数十年の歴史があるが、2015年4月、これらに新たなMBAプログラムが加わった。日本で初めてエクゼクティブに特化した学位プログラムで、2年間土曜日中心で学ぶ「Executive MBA(EMBA)」である。

EMBAの特長は、まず対象年代だ。ターゲットとしているのは、職務経験15年以上、30代後半〜40代前半の、まさに企業や組織を先導する中核ミドル層である。これらの多忙な人材が職務を全うしながら経営に必要な知識を身に付け、考える力を鍛えるために、授業は土曜日と短期合宿を利用して行うようになっている。

EMBA設立の狙いを、河野教授は次のように説明する。「背景には、前述したように、日本の将来の経営者育成が社内教育だけでは難しくなっているという危機意識があります。そのためにも、世界のリーダーたちと対峙できる人材を育成したいという思いがありました」。

河野教授によれば、欧米はもとより、アジア諸国と比較しても、日本のエグゼクティブリーダー育成に対する取り組みは後れを取っているという。
「特に中国や韓国はエグゼクティブリーダー育成に非常に力を入れています」

中核ミドル層が経営層になったときから始めたのでは、もはや追いつけないほどの差になる恐れがある。
「EMBAでももちろん、これまでKBSが培ってきた知見を生かした質の高い教育プログラムを提供します」

 

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