貿易赤字、2015年上半期は前年比大幅縮小 6月は690億円の赤字に

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 7月23日、財務省が発表した6月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は690億円の赤字となった。横浜港から輸出される新車。6月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 23日 ロイター] - 財務省が23日に発表した2015年上半期の貿易収支(原数値)は1兆7251億円の赤字となった。半期ベースで1979年の統計開始以来過去最大だった前年同期の7兆6281億円の赤字から大幅縮小した。赤字縮小は2期連続。輸出が底堅く推移する一方、原油価格の下落で輸入が11期ぶりに減少したことが背景。

輸出は前年同期比7.9%増の37兆8080億円で、5期連続で増加した。数量ベースでは同1.6%増。2期連続で増加した。

一方、輸入は同7.4%減の39兆5330億円で、11期ぶりに減少した。

為替レート(税関長公示レート平均)は1ドル119.96円で、対前年比16.8%の円安だった。

輸入原粗油単価は前年比39.1%低下の4万3542円/キロリットルで、ドルベースでは同47.9%低下の57.7ドル/バレルだった。

<6月貿易赤字は大幅縮小>

6月の貿易収支(原数値)は690億円の赤字となった。赤字は3カ月連続。円安による輸出の大幅増で、赤字幅は前年同月の8340億円から大幅縮小した。

財務省では「足元、輸出は緩やかな回復傾向となるなか、輸入は原油価格の下落などで減少し、貿易赤字縮小が続くが、先行きは動向を見極める必要がある」としている。

<6月輸出は10カ月連続増、対中輸出の不振は続く>

このうち輸出は前年比9.5%増の6兆5057億円。米国向け自動車輸出がけん引し、10カ月連続で増加した。数量ベースでは同0.0%増とかろうじて2カ月ぶりに増加したが、景気減速感が強まる中国向け輸出の不振が続いている。

品目では自動車(16.9%増)、半導体等電子部品(14.9%増)、ポンプ・遠心分離機(17.1%増)などが増加した。

地域別では、米国向け輸出が前年比17.6%増と2カ月ぶりに2桁増に復調した。増加は10カ月連続。一方、中国向け輸出は4カ月連続で増加したが、伸び率は同5.9%増と低調だった。

為替レート(税関長公示レート平均)は1ドル123.06円で、対前同月比20.7%の円安だった。

<6月輸入は6カ月連続減>

輸入は同2.9%減の6兆5748億円。6カ月連続で減少した。原粗油(36.7%減)のほか、液化天然ガス(37.3%減)、石油製品(30.1%減)などが減少した。

輸入原粗油単価は前年比29.9%低下の4万9488円/キロリットルで、ドルベースでは同41.9%低下の63.9ドル/バレルだった。

ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、予測中央値は54億円の黒字。輸出は前年比10.0%増、輸入は同4.0%減だった。

*内容を追加します。

 

(吉川裕子)

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