「わが子のことがわからない」解決した人の超発想 積極的に話さない子、話せない子に困る親たちへ

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ヤスコさんはライターなので、途中から他の家庭のかぞくかいぎも取材するようになり、その影響も受けて、かいぎのやり方をどんどん変えていきました。途中からはこのホワイトボードを使うようになったそうです(写真・筆者撮影)

気持ちを話すことで、あなたやあなたの家族を楽にする

この「かぞくかいぎ」の記事を読んで、「うちでもやってみたい!」と思った人もいれば「会社でしょっちゅう会議してるのに、うちでまで会議なんて面倒くさいよ」と思った人もいるのではないでしょうか。

ヤスコさんは、かぞくかいぎの効果に気づいてから、他の家庭のかぞくかいぎも取材するようになりました。その取材はこの東洋経済オンラインで「家族会議のすすめ」という連載にまとめられており、かぞくかいぎをセミナーなどで教える機会も増えて、連載は書籍化もされました。書籍では、わかりやすくその長所や方法がまとめられています。

子どもから話したくなる「かぞくかいぎ」の秘密 ~一生ものの対話力を磨く
『子どもから話したくなる「かぞくかいぎ」の秘密〜一生ものの対話力を磨く』(白夜書房)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

でも、実際にヤスコさんがセミナーの講師をしてみると、かぞくかいぎをやってみたいという人は圧倒的に女性が多く、「夫に提案したけどいやがられた」という声も多かったそう。パパはかぞくかいぎ実行の大きな壁になりやすいようなのです。

ただ、マンガを読んでいただいてわかるように、会社の会議と「かぞくかいぎ」はかなり違います。会社の会議では生産性や結論が求められますが、かぞくかいぎはただ話すこと、そして聞くことが大事。むしろ、会社の会議のように、合理的に結論を出すことを求めると、子どもを追い詰めてしまうこともあります。このご家庭では、フォームに書く時間を5分~10分程度、発表する時間は10分~20分、子どもたちが飽きたかんじになったら終わり、くらいのゆるさでやっていたとか。

「気持ちを話す」となると、短時間でもゆるめでも抵抗がある人はいると思いますが、気持ちの開示は、回を重ねるごとにだんだん慣れていきますし、もしかしたらあなたやあなたの家族を楽にすることにつながるかもしれないのです。

アキヒロさんは、自身が気持ちを開示するのに慣れていなかったのにもかかわらず、かぞくかいぎの提案をすぐに承諾して、自ら記入フォームをつくり、初回の子どもたちの反応にガッカリするヤスコさんに「試しにもう少し続けてみよう」と促したそうです。そういう意味では、アキヒロさんはご自身で自分の壁を破っていったと言えるでしょう。

ちなみに、かぞくかいぎの成果は大きかったとはいえ、息子くんの「学校のことを教えてくれない」は100%解決したわけではないそうです。大事な連絡事項のおしらせがもれてしまったりはあるものの、他の会話はできるようになったし、学校の報告事項はママ友に確認すればいい、と割り切ったところもあったそう。この100%解決を求めない、くらいのゆるさも大事なコツかもしれません。

さて、実はこの家では、娘さんのことでもおふたりが悩んだときがありました。次回は、その対応でやった別の言語化の方法を紹介します。

この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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