人気上昇中キャンピングカー「デュカト」の正体 フィアットが製造する商用バンに注目が集まる

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従来、デュカトの国産キャンピングカーには、標準ボディのL2H2をベースとしたモデルも多かったが、今回紹介する新型3モデルは、いずれもL3H2がベース。標準ボディと比べ全長が585mm長いぶん、より広い室内を持つことで、さらに豪華で使い勝手のいい装備を実現していることが特徴だ。また、いずれも、外観をほぼノーマルのままにしたバンコン(バンコンバージョン)と呼ばれるタイプで、ボディサイズも、ベースとなったL3H2とほぼ同じだ。

ナッツRV:ゼニア

ゼニア タイプTの外観
ゼニア タイプTの外観(筆者撮影)

まず、ナッツRVが出展したゼニア。同社が製作するデュカト・ベースのキャンピングカーには、2023年に発表した「フォルトナ(FORTUNA)」というモデルもあるが、こちらはベース車が前述した標準ボディ車。新型は、より全長が長いロングホイールベース車を使っており、さらにラグジュアリー感や使い勝手のよさを加味している。

ゼニアは、室内レイアウトによって「タイプT」「タイプL」「タイプTL」といった3種類をラインナップする。まず、タイプTは、前向きのセカンドシートと、室内後方にツインベッドを装備。シャワーなどを使えるマルチルームも備えた仕様だ。

回転式の運転席と助手席を採用したゼニア タイプTの車内
回転式の運転席と助手席を採用したゼニア タイプTの車内(筆者撮影)

乗車定員4名、就寝人数2名を確保するのがこのタイプ。車体左側にあるスライドドアを開けると、天井高1900mmを確保する広々とした室内が広がる(天井高は3タイプ共に同じ)。エントランス右には、ガラス蓋付きシンクを採用するキッチン。シンク用の家具には電子レンジや70Lの冷蔵庫も備えるほか、キッチン上方の家庭用エアコンも標準装備だ。また、通路を挟んで右側にあるセカンドシートの前にはテーブルも設定。停車時に運転席と助手席を後ろへ180度回転させれば、大人4名がくつろげるダイネット(リビング)となる。

ゼニア タイプTのダイネット部分
ゼニア タイプTのダイネット部分(筆者撮影)

ダイネット後方にはマルチルーム、さらに後方には常設のベッドルームを配置。大人2名が就寝可能な横2列のツインベッドは、左側が長さ1930mm×幅790mm、右側が長さ1830mm×幅750mm。通常は通路となっている中央部にもマットを敷けば、簡単にキングサイズのベッドにすることができ、さらにゆったりとした空間を作り出せる。また、ベッド下には収納スペースも装備し、観音開きタイプのリアゲートを開ければ、長尺物などを積載することも可能だ。

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