意外と知らない「地震保険」の損しない選び方3つ 持ち家も賃貸も気をつけたい「家財の保険金設定」

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にもかかわらず、加入率が低いのはなぜ?

「政府と損害保険会社が共同で運営する公共性の高い保険でもある地震保険。特徴的なのは単独ではなく、火災保険とセットで加入すること。マイホーム購入で住宅ローンを組む際に火災保険の加入を義務付けられますが、地震保険は個人の判断に委ねられています。必要性が高くても危機感が低ければ加入は見送られるわけです」

地震保険の契約件数・世帯加入率・付帯率の推移
地震保険の契約件数・世帯加入率・付帯率の推移(画像:週刊女性PRIME編集部)

契約中の火災保険に地震保険を付帯していない場合には中途加入もできる。

保険金額の仕組み

「補償の対象は居住用の建物と家財に分けられ、それぞれ加入する必要があります。保険金は火災保険の契約金額の30%~50%を範囲内とし、建物は5000万円、家財は1000万円の上限が設けられています。例えば、火災保険の建物の保険金額が3000万円だった場合、地震保険は900万~1500万円の範囲内で設定可能です」

被災時に支払われる保険金の額は損害の程度に応じて決まる。建物・家財ともに「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4つの区分で判定される仕組みだ。建物でいえば、基礎・柱・壁・屋根などの主要箇所が時価の50%以上損害を受けたり、焼失・流失した部分の延べ床面積が70%以上だったりすると、支払われる保険金は契約金額の100%。大半損は60%、小半損は30%、一部損は5%の支払いになる。

「被災者に保険金をできるだけ早く、かつ公正に支払うために、このような仕組みが用いられています」

保険料は住まいのある地域(都道府県)や建物の構造によって違ってくる。建物の構造は鉄骨・コンクリート造と木造の2種類に分かれ、耐火性能が低い木造のほうが保険料は高くなる。

「地域による差は地震の発生確率をもとにしています。例えば東京都は地震の発生確率が高く、今回地震が起きた石川県はデータ上低い。同じ建物の構造、同額の保険金をかけた前提で保険料を比較すると、その差は約4倍です。当然ながら東京都のほうが保険料は高くなるわけです」

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