苦境のコーセー「雪肌精」、社長肝煎り大刷新の成算 看板ブランドで「羽生&大谷」起用の深いワケ

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5月に発売40周年を迎える「雪肌精」。クラシックシリーズを刷新する(編集部撮影)

看板商品の運命を占う1年が始まる――。化粧品大手のコーセーは、3月1日からロングセラー化粧品「薬用 雪肌精」をリニューアルする。1985年に誕生した高機能化粧水は、コーセーを代表する商品の1つとして愛されてきた。これを発売40年目に初めて、容器デザインと処方成分を見直す。

雪肌精は、小林一俊社長の父である小林禮次郎元社長が生み出したブランドだ。発売翌年の1986年に入社した小林社長にとっても、強い思い入れがある。

インバウンド剥落が痛手に

しかし、ここ数年の雪肌精は業績面で苦戦を強いられてきた。要因は主に2つある。

昨年12月に行われた「雪肌精」の新商品発表会には、小林一俊社長も登壇した(編集部撮影)

1つ目は、インバウンド需要の剥落だ。中国人の間で知名度が高く、2019年当時は爆買いの代名詞でもあった雪肌精だが、今はその反動減に苦しんでいる。2019年3月期に国内で158億円あった雪肌精の売上高は、2020年3月期に132億円、2021年3月期には81億円にまで縮小した。

2つ目は、ブランドテコ入れの失敗だ。2020年に前述のクラシックシリーズとは別に「雪肌精 クリアウェルネス」を投入することでリブランディングを試みた。しかし「『やってみなはれ』の精神で、私がデザインや処方(化粧品のレシピ)に口出しせずに挑戦したが、うまくいかなかった」(小林社長)。

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