チューリッヒ生命

がん治療のおカネは、本当はいくら必要なのか

“働きながら闘病する"という現実

「民間医療保険のがん給付金、お見舞金、医療費控除や高額療養費制度(月額の医療費が自己負担限度額を超えた場合、申請を行うと超えた分の金額が還付される制度)による還付金で総額152万円が入りました。でもそれでも全てをカバーするには程遠かったのです」

治療費より、がんで収入が減ることのほうが深刻

がんにかかる費用は、(1)病院に支払う医療費、(2)病院に支払うその他のお金、(3)病院以外に支払うお金の3種類に分けて考えることが大切だと黒田さんは言う。(1)は診察、手術、治療費や入院料、(2)は差額ベッド代や先進医療費など保険適用外の費用、(3)は先述の交通費や健康食品などの諸費用だ。(1)は症状に応じて削ることが難しい費用だが、(2)(3)は自分の裁量でかける金額を決められる。ただ、特に(3)は家計費の中に埋もれやすく、知らず知らずの間に出費がかさんでいることも多いのだという。

「『がん患者意識調査2010年』(下図)によれば、がん治療でもっとも多く支払った年の治療費の平均額は約115万円。ですので、がんに備えて最低でも手元に100万円ほど用意しておく必要があるでしょう。ただ、がんになった時に心配なのは、お金がかかることだけではありません。一番考えなくてならないのは、収入が減ることなのです」

がんになっても、生活費や住宅ローン、教育費が減るわけではない。そのため、がん罹患後も仕事を続ける人は多く、東京都保健福祉局が今年5月に発表した「がん患者の就労等に関する実態調査」によれば、がん罹患後も家計を維持するために仕事を続けたいと回答した人は8割にものぼる。

「一方で、がんになると入院期間だけではなく、退院後も、抗がん剤治療や放射線治療など通院による治療を行うことが多いため、仕事を休まざるを得ません。有給休暇を消化してしまえば当然収入は減ることになるでしょう。また、がんになったことで昇進に影響があったと感じていたり、会社側から退職を促された経験を持つ人も少なくないのです」

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