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がん治療のおカネは、本当はいくら必要なのか “働きながら闘病する"という現実

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2人に1人が発症し、3人に1人が死に至る病「がん」。もはや、誰もががんになる可能性を否定できないだろう。がんは、他の病気と比べて治療が長引くことが多く、仕事や家計に大きな影響を及ぼすことで知られている。では、実際がんになったらどの程度の金額がかかるのだろうか。また、そのリスクにどのように備えればよいのだろうか。乳がんと闘った経験を持つファイナンシャル・プランナーの黒田尚子さんに伺った。
黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー
CFP、1級FP技能士、NPO法人CNJ認定乳がん体験者コーディネーター(BEC)、消費生活専門相談員。2009年末に乳がん告知を受け、自らの実体験をもとに、がんに対する啓蒙活動やがんに罹患した場合の経済的備えの重要性を訴える活動を行う。近著『50代からのお金のはなし』(プレジデント社)発売中。2015年7月より聖路加国際病院ではじまる、がんとお金についての問題を経験者同士や専門家と一緒に話し合い解決の方法を探る「おさいふリング」にてファシリテーターおよび相談員をつとめる。
 

黒田さんが乳がんだと診断されたのは2009年12月。告知時の診断はステージⅡbの状態で、翌年はじめに入院し、手術を受けた。その後、乳房再建手術を行い、2年ほどホルモン剤治療を続け、現在は定期検査のため半年に一度通院している。

仕事柄、多くの顧客にライフプランニングのアドバイスを行ってきた黒田さんも、自身ががんになるとは想像もしておらず、がん保険には入っていなかったという。

「実際にがんになってみると、出費は想像以上に大きなものでした。がんにかかるお金は医療費だけだと誤解している人も多いのですが、医療費以外にもさまざまなお金が必要になります。たとえば、定期検査費用や、通院にかかる交通費。遠方の病院に通う人であれば宿泊費もかかりますよね。また、健康食品やサプリメント、がんについて知るための書籍も購入しました。さらに、私が入院している最中の主人と子供の外食費用など治療費以外の細々とした出費が重なったのです」

これらの諸費用を含め、手術をした最初の一年にかかったのは約250万円。このうち約160万円は、当時はまだ保険適用外だった乳房再建のためにかかった費用だ。

退院後も検査や通院の都度出費があり、かかった費用は今年4月の時点で総額326万円にものぼる。決して楽に捻出できる金額ではないだろう。がん保険に入っていなかったという黒田さんは、どのようにしてこの費用を捻出したのだろうか。

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