ANAと中外製薬「DXとセキュリティの両立」は必然 「AIの活用」を大前提に経営戦略として対策を
DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に加えて生成AI(人工知能)の登場もあり、企業を取り巻くテクノロジー環境は急速に変化している。
生産性向上、競争優位構築のために新しいテクノロジーの活用は避けて通れない一方で、セキュリティリスクへの懸念は増大している。東洋経済が実施したオンラインイベント「AI時代に考える経営戦略としてのサイバーセキュリティ」では、DX、AI活用を積極的に推進するANAと中外製薬からDX・セキュリティの担当部長、和田昭弘氏と小原圭介氏の2人を招き、ITジャーナリストの三上洋氏の司会で、その先進的な取り組みを語ってもらった。
既存のセキュリティ対策は通用しなくなる?
DXで新たなテクノロジーを利用したり、新規ビジネスに挑んだりするときに、既存のセキュリティ対策が通用しなくなる可能性がある。
とりわけAIの進化は速く、文章生成AIが話題になった2023年春からわずか半年後には、画像、動画、音声などさまざまなデータをAIとやり取りするようになり、オフィスツールと連携したAIは簡単なプロンプト(指示文)だけでグラフィカルなスライドを作成できるようになった――。
こう振り返ったモデレーターの三上氏は「生成AIはホワイトカラーの仕事を大きく変えるだろう。だが、情報流出、著作権、正確性などのリスクへの懸念から利用をためらう企業も多い」と指摘。ANA、中外製薬の考えを尋ねた。
【まとめ動画】東洋経済Brand Lab Live・AI時代に考える経営戦略としての「サイバーセキュリティ」〜ANAと中外製薬の担当者が語るDX戦略
コロナ禍で大幅な旅客輸送の落ち込みを経験したANAは、航空事業だけに頼らない幅広い事業展開を目指している。膨大な顧客情報と、商品販売やケータリングを含めたグループの巨大サプライチェーンを生かし、顧客にパーソナライズしたサービス提供に生き残り戦略を描く。