「ヤバい温暖化」に本気で挑む23歳化学者の生き方 10歳からはじめた研究活動はもうすぐ14年目

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一般社団法人炭素回収技術研究機構(CRRA)代表理事・機構長を務める村木風海さん

人類に残されたタイムリミットはあと6年。2030年までに世界の平均気温上昇を1.5度以下に抑えなければ、いよいよ地球環境が危機的状況に陥る。

気候変動によるそんな悪夢のような未来が、最新コンピューターで科学的にシミュレーションされている。2030年までに世界の二酸化炭素の排出量を半減できなければ、北極圏の凍土融解や森林火災、熱波や干ばつなど、地球環境システムを破壊する変化がドミノ倒しのように連鎖するのだ。

そういわれても信じない人もいるかもしれない。しかし、2022年の世界の二酸化炭素排出量は、前年比0.9%増加の368億トンと史上最高値を記録(国際エネルギー機関IEA発表)。2023年は世界の平均気温も観測史上最高を記録した(世界気象機関WMO発表)。このまま世界平均気温が高まっていくと、自然災害、異常気象、食料不足や水不足によって、人類の生存も困難になっていくだろう。

この状況を回避すべく、10歳から二酸化炭素の研究に挑んできた若き化学者がいる。国連第27回気候変動枠組条約締結国会議(COP27)にもパネリスト登壇した村木風海さんだ。

村木さんはまだ23歳の若さながら、一般社団法人炭素回収技術研究機構(CRRA)代表理事・機構長を務める。昨年には、『ぼくは地球を守りたい 二酸化炭素の研究所、始めました』を上梓。近い将来、「地球温暖化を止めた男」になることを本気で目指している、日本人初の「気候工学」研究者にして発明家でもある。

温暖化を止められる可能性は0%か100%

村木さんの著書『火星に住むつもりです〜二酸化炭素が地球を救う〜』によると、地球温暖化を止めるための研究は世界で数多く進んでいるという。しかし、気候変動による小さな変化の積み重ねによって、突然、巨大な変化が起こり後戻りできなくなるティッピングポイント(臨海点)までわずか6年。奇跡が起きる可能性はあるのだろうか?

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