クマに襲われ反撃…生き残った男性の"一部始終" 被害人数が最多となる中、知っておきたいこと
今回の経験を教訓に、対策グッズをいくつか購入したという。
「今回はたまたま木の棒があって助かったので、攻撃用に『どっとこ』(とびぐちの巨大版、160センチくらいのもの)も購入しました。あとはサイレンと、風向きによっては意味ないけどスプレーですね」
熊との遭遇“3パターン”
ほかにも昨今の熊事情や岩手県の現状についても聞いてみた。
『原生林の熊』さんによると、熊の遭遇パターン・対策は主に3つあるという。
「まずクマが単体だった場合。一つ目は我々人間が山の中に入り遭遇するパターンです。この場合は、大抵クマの方が逃げることが多いです。
二つ目はクマが餌を求めて民家の近くに来たパターン。食い気が勝っていて、普通の精神状態じゃないので、絶対に近づいてはダメです。あとは、人や作物を守るために本来放牧で使われる『電気牧柵』をクマ対策に使う家も増えてきました。
最後は場所問わず子連れのクマの場合。これが1番危険で、私の場合このパターンでした。母熊のスイッチが入る距離に入る前に距離を取るのがベストで、犬がいれば、犬がクマに吠えて対峙している間に人間は逃げるのも有効です。このとき、クマとの距離を取りながら吠えるタイプの犬が最適。あと犬に首輪をつけているとクマの爪が引っかかって犬がけがをしてしまうので、はじめから首輪は取っておくといいです」
また、最近の熊被害の原因について尋ねると、シカやイノシシの数が増えたことも関係しているかもしれないという。
「どんぐりが不作というのが民家のほうに下りてくる原因だと考えられますが、クマの冬眠中にどんぐりなどの木の実を最近増えているイノシシやシカが食べて、クマが食べる分が少なくなってしまうのかも。それで餌を求めて山から下りてくるパターンがあるのかなと思っています」
さらに、昨今熊の駆除に対して「かわいそう」という声が寄せられているが、生活環境が違うのでイメージできないのも無理はないと話す『原生林の熊』さん。
「都会の方に住んでいる方々はイメージしにくいかもしれないのですが、私の住む地域は土地の8割ほどが森林や山のため、人間とクマの生息域が分けられないのです。全部がクマの生息エリアと言っても過言ではありません。
よく『クマを殺さないで』『クマとの共生を』だったり、動画でも『攻撃されたクマが可哀想』と言われますが、人に育てられ懐いたクマでさえ、いつ豹変して人を攻撃するか分かりません。私自身もクマが好きですが、同じ生活区域で生きている以上、まずは自分たちの命が第一です」
今回の衝撃動画により、幸いにもチャンネル登録者が一気に数千人増えたという『原生林の熊』さん(10月21日現在1万人超え)。今月18日には、《熊と揉めた現場、あの後2回目で巨大舞茸に出会えました!一緒に現場検証もしてみました》と襲われた現場で元気に仕事をこなした様子も配信している。
今年もこれから紅葉がきれいに見える季節が訪れるが、熊被害が激増しているので十分気をつけて過ごしてほしい。
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