失敗を最初から恐れずに動く人が得していること 仕事の時間を劇的に減らすためには「試す」が近道

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私のまわりの会社員は、立場を失うことを極端に恐れている人が多い。新しい売り方やサービスを生み出すリスクなど、とても許容できそうにない。

そんななか最近、知人が新しいサービスを生み出した。現段階では、それはうまくいかない確率が高いが、いきなり自転車には乗れないように「試す」がなければ前進しない。すべては創造性の一部と考え、多様な経験をするなかで失敗しにくい方法を学ぶ。これは学校教育では教わらない、人生にとても大切なことの1つだ。

この「試す」は、小さなイノベーションにおける極めて重要なプロセスだ。「試す」ができるかどうかが、会社に都合のいい社員として立場を失うことに怯えながら生きるか、自分の人生を選び取って生きるかの違いをつくる。ここに一歩踏み出すための絶好のターゲットが「仕事を減らす」だ。失敗を失敗と認めないのではない。試した結果は「実験結果の1つ」と考えよう。

「試す」ことで思いつきが進化する

「それでも仕事で失敗するのは抵抗が……」という方も多いかもしれない。

私は自宅で料理をする習慣がある。

料理は、まさに「試す」の領域だ。フレンチのソースに日本の醤油を隠し味として組み合わせたり、日本料理に中華の豆板醤を組み合わせたりすることで、美味しくなることも、まずくなることもある。家族にまずいと言われることなど、日常茶飯事だ。新しい料理に挑戦すればするほど失敗するが、成功もする。そこで未知の美味しさを発見した喜びと驚きが、次の挑戦への原動力だ。

仕事を減らす
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そのうち、ごく稀に、料理を家族に褒められるようになる。何と何の組み合わせなら成功するかが体験的に判断できるようになり、成功率も上がっていく。するとリスクを恐れなくなる。

「新しい味を試してみたい!」という好奇心が広がり、ほかの国の料理も食べてみたくなる。本場の味を求めて、その国の文化や歴史を知識として獲得する。こうした経験が、仕事の創造性にも大いに役立てられる。

「試す」の領域は広い。

その1つが「仕事を減らす」だ。

そこで試すか試さないかが創造性を育めるかどうかを決める。もちろん、失敗を人に見せず、ご自身の立場に影響のない範囲で「試す」こともできるだろう。「試す」ことで思いつきが小さなイノベーションに進化するのだ。

田中 猪夫 Creative Organized Technology LLC ジェネラルマネージャー

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たなか いのお / Inoo Tanaka

1959年、岐阜県生まれ。故・糸川英夫博士主催の「組織工学研究会」が閉鎖されるまでの10年間を支えた。Creative Organized Technology専門。20代にIT企業を起業。30代にはイスラエルのテクノロジーの日本へのマーケット・エントリーに尽力。日本のVC初のイスラエル投資を成功。40代にはデジタルマーケティングツールベンダーのカントリーマネージャー、50代にはグローバルビジネスにおけるリスクマネジメント業界に転身。ほぼ10年ごとに、まったく異質な仕事に携わることでビジネスにおけるCreative Organized Technologyの実践フィールドを拡張し続けている。

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