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「給付制限」はもう古い、現金給付政策の重要論点 「再分配を伴わない流動性の供給」という道も

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(写真:sh240/PIXTA)

近年、政府から家計への現金給付の機会が増えている。消費刺激、子育て支援、物価高対策など理由はさまざまだが、共通して「給付制限」が論点となる。

全国民が対象となった特別定額給付金は、「ばらまき」と批判された。子育て家計に限定した児童手当を充実させれば高齢者らからの反発があり、所得制限をすれば高所得世帯が不満を持つ。

給付制限は、財政負担を抑制しつつ大きな政策効果を得るという、政策の「効率性」の観点からの要請である。例えば、消費刺激策なら、現金支給のうち消費される割合(Marginal Propensity to Consume:MPC)が高いほど効率的な政策となるため、MPCの高い家計のみへの給付が望ましい。より一般には、現金給付で行動を変化させそうな家計に給付を絞るのが効率的だ。

しかし、この基準によれば、そもそも現金給付自体が望ましくないという結論になりかねない。経済学の標準的な考え方であるライフサイクル理論によると、現金給付には家計行動を変える力がほとんどないからである。

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