物流の風雲児「脱・下請け」で売上高3倍の大胆戦略 急成長のSBSがM&Aで得た「勝利の方程式」

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――物流業界で大型の設備投資やM&Aが活発化しないのはなぜですか?

サラリーマン社長とオーナー社長の違いだろう。大手はそこまでリスクをとらない。土地を買う場合も、どんなお客さんがいて、どう埋めていくかが問われる。次の社長が方針を否定することもある。だから土地も買わないし、M&Aもしたくない。

SBSの場合はしばらく仕事がなくても、4万坪の土地でも安ければ在庫で買う。多少不便でも、高速インターから近い場所なら、安い土地は買って押さえようという考えだ。M&Aも実行するときは瞬間に判断している。

もちろん、われわれも失敗はあった。創業5年目ぐらいに小さな運送会社を買収したが赤字になり失敗した。事業が自転車操業の状態だったときに、だまされて何千万円もすった。近年はインド子会社で損失を出している。今でも勝負しているからね。

読売新聞と組んで配送網を作る

――ウェブサイト構築・運用、物流・配送、サポートまで担うEC物流プラットフォーム事業が本格始動します。

ECを活用する事業者はアマゾンや楽天などで商品を売るが、自社サイトでもたくさん売っている。物流は自分でやらなければならないが、多くの事業者は資金がなく、中小の物流会社も資金がない。SBSはこのニ-ズにようやく応えられる規模になってきた。

ECプラットフォームでは、ITとロボットの力が必要だ。M&Aでメーカーの人材を獲得し、IT人材は200人、ロボットを扱える人材も50人いる。僕らは倉庫内の作業やロボット、システムに投資していくので、安い料金で使ってもらいたい。ECの発展には物流のローコスト化が不可欠だ。

そこで読売新聞と組んだ。一都三県は読売新聞、それ以外はわれわれが配送網を作り、全国の5~6割を占める配達網を作ることで物流全体をローコストにできる。そうすると、アマゾンや楽天に頼らなくても、ECで一緒に発展できる。EC化率はまだまだ上がるし、こうしたサービスを物流事業者が作らないといけないと思っていた。

2024年に千葉県野田市で4万坪のセンターが稼働する。機械化を進めて保管、ピッキング、出荷、配達までやる。これが成功すると倉庫も増え、2030年にはECで1000億円ぐらいの売上高になるだろう。今は若手も含めた40人ぐらいの専門チームでどう攻めていくか議論しているところだ。

物流業者の中では誰も成功していない。スピード感や投資能力も備わってきたので、大手が出てきても負けないと思っている。

――業界のドライバーの待遇や、残業規制導入で人手不足が深刻化するとされる「2024年問題」についてどう考えますか?

業界のドライバーが不足しているのは間違いない。運賃も底上げしていかないとだめだ。そのためには、単に荷主に転嫁するだけでなく、ロボット化やシステム投資、配送効率化などの努力も必要になってくる。

ただ、大手みたいに「一律10%上げないと運ばない」というのは、宅配のように寡占された市場の話。われわれはまだ競争も激しい。そう簡単には価格を上げられないところもある。

3PLはいまだにドラッグストアなどから引き合いがきている。さらにEC物流もあり、相乗効果で伸ばしていく。売上高7000億円達成を目指したい。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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