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ソ連民族問題の重要性、日本は過小評価していた 佐藤優の情報術、91年ソ連クーデター事件簿⑯

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  • 佐藤 優 作家・元外務省主任分析官

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「アガエフさんはアゼルバイジャンへの国際的支援はないと言ったが、イランは積極的にアゼルバイジャンを支持しているんじゃないか」と筆者は尋ねた。

「ちょっと違う。イランはアゼルバイジャン全体を支持しているわけじゃない。前に説明したことがあると思うが、アゼルバイジャン人民戦線にはアゼリ(アゼルバイジャン)民族主義者とシーア派イスラム原理主義者がいる」

「その説明は覚えている。イランはシーア派原理主義者たちを支持しているということか」

「そういうことだ。しかし、イランにとっても面倒なことが起きている。アゼルバイジャン本国のアゼリ人は700万人だが、イランのアゼリ人は2000万人ぐらいいる。イランの場合、シーア派のアイデンティティーが前面に出ているので、アゼリ人という意識は普段はそれほど強くない。だがアゼルバイジャン人民戦線の台頭で、イランのアゼリ人が民族意識を高めつつある。

実はバクーにソ連軍が侵攻した1990年1月19日から、アゼルバイジャンの飛び地のナヒチェヴァン自治共和国で、国境を越えてイランとの往来デモが始まっている。一部の活動家は、南北アゼルバイジャンの統一を唱えている。南アゼルバイジャンとはイランの西アゼルバイジャン州、東アゼルバイジャン州のことだ。イラン当局はアゼリ民族主義の高揚を危険視し、20日夕刻からアゼルバイジャンとの国境を閉鎖した」

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