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「正社員不足だから労働市場は好調」は本当か? 良好な就業機会増と処遇改善は楽観視できない

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  • 太田 聰一 慶応義塾大学経済学部教授

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(写真:artswai/PIXTA)

正社員不足の報道が相次いでいる。東京商工リサーチによると、4月初旬時点で調査対象企業の約3分の2が「正社員不足」と回答した。また、同月下旬に行われた帝国データバンクの調査においても、正社員の人手不足はコロナ前の水準を超えたとしている。

こうした調査結果を、日本の労働市場が絶好調である証拠だと受け止め、今後の本格的な就業機会の増加と労働者の処遇改善を楽観視する向きもあるかもしれないが、筆者自身はまだ慎重にみている。

待遇改善というハードル

まず、企業の人手不足感が、実際の雇用増に直ちに結び付くわけではなく、そこには待遇改善というハードルがあることに注意が必要だ。例えば、賃金水準が総じて低いセクターでは、既存の労働者の離職率が高いために、外部労働市場からの人材補充を迫られる。しかし、そこでも低い賃金水準が採用競争では不利に働いてしまうので、補充は容易に実現しない。

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