日本ハム「新旧の本拠地」が"共倒れ"の予感も エスコン「高すぎ」 札幌D「黒字化無理」の声
一方、対照的に昨年までの本拠地であった札幌ドームはどうなっているのだろうか。
「ドーム側の日本ハムに対する強行姿勢が本拠地移転を招いたため、悪者となって各方面から叩かれた。エスコンには夢が溢れていると思われたが、蓋を開けてみると問題が山積み。日本ハムとエスコンが叩かれ始め、ドーム関係者は逆風が弱くなってホッとしているはず」(在京テレビ局スポーツ担当者)
ドームでの日本ハム戦では使用料が発生し、球場内での広告や飲食の収入もドーム側に入る契約で、年間20億円超とも言われていた。条件変更のため話し合いを重ねたが決裂し、新球場のエスコン建設を決断することにつながった。ドームは日本ハムが去った後も「他イベント開催によって経営には問題ない」という姿勢を貫いていたが、野球ファンや市民からは多くの反感を買っていた。
「(日本ハムが去った後は)苦戦しているのは明白。サッカー(Jリーグ)を経営の柱と考えているようだが、年間70試合近くある野球に比べサッカーは20試合程度と元々の数が少ない。高校野球、サッカーなどの開催は決定しているものの、他イベントも現時点で決定しているものは多くなく、先行きは明るくない」(大手スポーツマーケティング関連会社)
「球場内の広告看板は、サッカーのテレビ中継に映り込む場所以外は多くが撤退してしまった。これまでも音響があまり良くないと言われていた箱だけに、コンサート開催が激増するのも考えにくい。この状況でどうやって黒字経営となるのか……」(大手広告代理店関係者)
北海道の2球場は今後どうなっていくのか
ドーム側は日本ハム移転直後の2023年度はコロナ禍の影響も織り込んで約3億円の赤字を想定。だが、翌24年度には黒字に転じ、23年度以降の5年間で900万円の黒字を見込んでいるという。試算発表当時から疑問視されていたが、予想を上回るほどの厳しい道が待っていそうだ。
「ドーム側は『札幌市からはお金を入れず、独立採算で収支を成り立たせていく』と力説するが難しいのではないか。2002年にサッカーW杯で建設された他施設同様、自治体からのサポートを受けるのは時間の問題だろう。かつての大阪ドームのように経営破綻という最悪のケースにならなければ良いのですが……」(在京テレビ局スポーツ担当者)
日本ハムの北海道移転はプロスポーツのフランチャイズ制度の成功例とまで言われた。しかし新球場建設のこのタイミングで右肩下がりに見えるのも皮肉ではある。
「エスコンにはまだまだ大きな可能性がある。今は想定外のことも起こっているが、1つずつ解決していけばそれが財産になる。例えばアクセス面は新駅誕生など、今後改善するはず。チケット代金を含めた物価高も適正価格になるだろう。時間はかかるが、やり方次第では大きく化けるはず」(大手スポーツマーケティング関連会社)
エスコン、ドームともに現状は厳しい状況ではあるが、これから“明暗”も分かれていきそうだ。新旧の日本ハム本拠地の未来は明るいものになるのだろうか……。
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