ブラジルでの成功を目指して
~最新動向と事業展開・税務・法務のポイント
【講演Ⅳ】
「ブラジルの法人税制改正等について」
ブラジルでは、2007年から14年にかけて税制が改正された。12年からサンパウロに赴任している赤澤氏はまずその経緯の説明から入り、同国が08年にIFRSを導入し、税務のルールもIFRSに沿ったものになったことを紹介した。そして配当・利子配当、のれん、国外利益課税などのルールについて詳しく解説。新たに税務ファイリングの義務も課されるようになり、ファイリングの遅延や誤謬に対してはペナルティが課されると警告。「主要な税金構成の見直しに政府当局は全力で取り組んでいて、租税回避防止規定および税源浸食と利益移転に関する規定の導入も議論されている」として、日本企業の注意を促した。
【講演Ⅴ】
「ブラジル進出の法務と留意点
~近時の法改正も踏まえて」
ブラジル進出に際しては、政治体制や民族紛争などに起因するリスクは少ないが、ブラジル特有のリスクはある。また一部のセクターを除けば外資企業については内資企業と平等な扱いをするように規定されており、2015年の法改正では、新たにヘルスケア・医療サービスの分野における外資参入が解禁され、日本企業にはビジネスチャンスが広がった。角田氏はそうしたことを踏まえたうえで、ブラジル投資を検討する外国企業が懸念するリスク分野の中心は税務や労務、環境法などにかかわることだと指摘。「まず規制の大枠を理解することが大切であり、法律の規定と異なる運用に注意すること、信頼できるアドバイザーを確保すること」などを留意点として挙げた。