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BtoCビジネスに
イノベーションは起こせるか? お客様から見える世界はクリエイティブ、マーケティング、ITの力で変えられる――成長企業のイノベーターが語る最先端事例――

  • 制作:東洋経済企画広告制作チーム
リヴァンプ 取締役副社長兼COO
湯浅 智之氏
BtoCビジネスの未来を考える「Business to Consumer ビジネスにイノベーションは起こせるか?」が3月、東京で開催された。冒頭では、本セミナーを共催するリヴァンプの湯浅氏が登壇。「BtoCビジネスにおいては、マーケティング能力とIT能力を上げていくことが不可欠。本セミナーでは、これらを実現し成長を遂げた企業のイノベーターに最前線の事例を語っていただく。ぜひ、日頃の業務の一助にしてほしい」と挨拶し、幕を開けた。
主催:リヴァンプ、東洋経済新報社

基調講演
ローソンの挑戦

ローソン 代表取締役社長
玉塚 元一氏

リヴァンプの創業メンバーでもあるローソンの玉塚氏は、コンビニエンスストア(以下、CVS)業界を取り巻く状況について、「最近もCVS大手の経営統合が話題になったように、集約の流れが速い業界であり、ブランド戦略や新商品、既存投資によって競争力の維持を図る必要がある」と説明。

高齢化や家族形態の変化に伴って、惣菜や生鮮日用品などのニーズが増え、宅配サービスも求められている現状を明かし、顧客ニーズに対応することが不可欠だと語った。

これらの課題に対応するためには、業務改革の実行が必須とし、「共通ポイントカードから得られる購買動向データを分析することで商圏と顧客ニーズを的確に把握し、商品発注と品ぞろえに生かしている。購入率が高い商品については、原材料までさかのぼってこだわり、競争力のある商品にしていく」と、データ把握の重要性を強調。

また、「すべての起点は顧客にある。トップが危機感を持って事実を把握し、強い実行力で改革を進めることがすべてを決める」と熱意を込めた。

経営×ブランドデザイン
JAPAN BRANDING と INNOVATION PROTOTYPING

シー・アイ・エー 代表取締役CEO
シー・ユー・チェン氏

シー・ユー・チェン氏は新業態ブランドの構築について、自身が手掛けてきた豊富な事例をもとに解説した。

まず現代の時代背景を「ポスト・リーマンショックとデフレの中で、普通だが少し上質な価値を求める『NEW NORM』という価値観が生まれた。消費することで豊かさを求めたリーマンショック以前とは違い、スマートなライフスタイルを指向しながら顧客体験価値を重視する」と分析した。そのため消費者は、商品やサービスで自分の生活がいかに豊かになるのかを知りたがっており、ブランドがどのような顧客体験価値を提供することができるのかを明確化することが重要だとした。

また、ブランディング成功のための要因としては、「成果を出すまでやりきること。そして、リーダーがフルコミットメントすることも必須。社内のタスク・フォース・チームとリーダーの一体型コミットメントによってブランドが進化する」と持論を展開。戦略資産となるブランドを創造し、その持続力を高めることが競合他社への優位性の確立につながると述べた。

経営×クリエイティブ
クリエイティブをキーにした成長の起点作り

Catch 代表取締役 クリエイティブディレクター
福部 明浩氏

福部氏と斎藤氏は、企業経営の根幹としてクリエイティブを活用するためのアプローチについて解説した。

まず福部氏は「経営課題が複雑に入り組んでいるため、課題設定の見極めが困難」とクリエイターの立場から本音を明かし、斎藤氏は、「そのために経営陣を巻き込み、さまざまな部署が連動するような仕掛けをしながら、クリエイティブの戦略を考えていく」とのプロセスを語った。

リヴァンプ 取締役
斎藤 武一郎氏

事例で取り上げたのは、ネット販売の旅行会社。まず自社商品の魅力や強みを自ら把握してもらうために、社長や社員が街頭で消費者調査をすることを提案。その結果から訴求ポイントを絞り、低予算で九州限定のトライアルCMを作成したところ1カ月でペイラインを超えたという。「費用対効果を重視し、トライアルと検証を繰り返しながら徐々に規模を拡大していくことが大切」と斎藤氏。この流れを受けて全国展開のCMを手掛けた福部氏は、「新しい制作陣や俳優などを登用して表現を一新し、より訴求力効果の高いCMが制作できた」と振り返った。

経営×IT(情報システム)
情報システム視点での経営とITの融合
東急ハンズが進めるIT改革

東急ハンズ 執行役員 オムニチャネル推進部長 ハンズラボ 代表取締役社長
長谷川 秀樹氏

東急ハンズの長谷川氏は、「情報システムがビジネスを変える一番の早道は、『自分たちでビジネスをやること』だという。自ら情報システム部門の責任者として改革を実行。業務効率と運用負担の両面で問題が多発していたシステムの自社開発を手掛けてきた。「従業員が開発することで、ベンダーに依頼するよりも開発コストが5分の1程度に抑えられ、期間も2分の1以下」と自社開発のメリットを解説した。

また、情報システム部門と通販事業部の統合も推進した。「統合は、EC(イーコマース)事業の赤字原因が、集客力を持つ外部チャネルと店舗リソースの活用不足にあると考えたためだ。統合したことで店舗物流を効率化させ、EC事業の黒字化を実現した」という。

さらに、オムニチャネル時代に向けた取り組みとして、スマホアプリを利用した店舗での商品取り置き、自宅配送サービスなどを挙げ、「今後はインターネット技術をベースに、リアルタイムで店頭の品ぞろえ、在庫、価格を公開するシステムへの再構築を目指す」と意気込みを語った。

経営×IT(マーケティング)
無印良品『お客様と時間を共有する』
CRM & Digital Marketing 戦略

良品計画 WEB 事業部長
奥谷 孝司氏

無印良品の「Muji Passport」とは、店舗やネットストアで商品購入することでマイルを貯めたり、商品を検索して在庫のある最寄店舗を表示するガイド機能などが利用できるアプリのこと。WEB事業部長として「Muji Passport」をプロデュースした良品計画の奥谷氏は、「ネットとリアルの区別なく無印良品のファンの方とコミュニケーションを図り、持続的な来店客数増につなげるほか、マーケティング施策効果の可視化にも役立てるため」と導入目的を明かした。

導入によって、購入商品や累計購入金額などの顧客データを収集することが可能になる。さらに、顧客の利用状況による提示施策の変更や、販促効果の定量化、休眠層への直接リーチにも役立てているという。

また、「ビッグデータ分析は地味で、簡単に画期的な知見や仮説が生まれるわけではない。そのため社内では『そんなことは感覚的にわかる』と言うスタッフもいるかもしれないが、お客様の行動データと向き合い、データ分析に基づいたマーケティング施策を行うことが必要」と締めくくった。