物流

物流改革フォーラム インダストリー4.0と先端パーツセンター

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【事例講演Ⅰ】
「自動車・建機部品の国際物流拠点としての
展望と役割」

ネオヴィア ロジスティクス サービスLLC日本支社 ビジネス ディベロップメント マネージャー
河村 学氏

ネオヴィア ロジスティクスの河村学氏は、自動車や建機部品の国際物流拠点としての役割について解説。同社は、キャタピラー社の物流部門としてグローバル物流会社の基盤を形成し、2012年にキャタピラー社より独立。現在、世界25カ国に96拠点を持ち、自動車業界や建機業界を中心に、グローバル企業にスペアパーツ物流サービスを提供し続けている。

河村氏はまず、現在の自動車・重機業界のトレンドについて「輸送リスクや為替リスク等の回避のため、世界的に地産地消化が進んでいる。欧米メーカーが自国内での部品調達にシフトしているため、日本のサプライヤーに危機を招きかねない」と指摘した。

一般的な製造用部品の商流では、「海外工場での生産計画をもとに製造するため、計画の変動に対応するのが困難」「現地にて在庫を持つ必要がある」などのデメリットが生じてしまう。そのためネオヴィアでは、部品をサプライヤーの資産として同社の現地倉庫に在庫することで、これらの課題をクリア。サプライヤーは生産計画の変動に柔軟に対応することができ、物量の確保により輸送費の軽減も見込める。管理費削減により、価格競争力を維持できるのも大きな魅力だ。また、同社では、国内輸送から梱包まで一貫したサービスを提供し、EDI(電子データ交換による商取引)管理や海外工場との交渉も代行している。

河村氏は、「当社では在庫管理サービスも行っており、需要予測分析やグローバルネットワーク内の在庫の効率的な移動、パフォーマンスの監視と分析の提供などにより、お客様のビジネスをサポートしている。ぜひ、グローバル物流におけるお手伝いをさせていただきたい」とアピールした。

【事例講演Ⅱ-1】
「先進的物流施設『Landport』の機能と今後の展開」

野村不動産 都市開発事業本部 物流施設事業部
稲葉英毅氏

野村不動産の稲葉英毅氏は、同社が開発を進める首都圏や関西圏を中心に展開する大規模高機能型物流センター「Landport」について解説した。「『Landport』は、保管能力や荷役能力など物流機能を最大化させる施設設計を行っており、車両セキュリティシステムや監視カメラ、館内カードキーなどによりセキュリティレベルの高度化を図っている」と、稲葉氏は胸を張る。

併せて「情報ネットワークの継続性の確保」や、「地震時のBCP(事業継続計画)機能の確保」もアピール。免震装置や非常用発電機の設置のほか、津波や液状化のリスクも考慮した施設立地の重要性も強調した。

さらに、環境への配慮やオフィススペース、カフェテリア、最寄り駅からの専用バス運行など、快適な労働環境づくりに注力しているという。

「『Landport』は単なる作業・保管施設ではなく、サプライチェーンマネジメントを支える戦略拠点。今後は首都圏、関西エリアのほか、中部や九州エリアでも展開を予定している。ぜひご活用いただきたい」と話した。

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