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辺境取材で気づいたこと「言語には"ノリ"がある」 ノンフィクション作家の高野秀行氏に聞く

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高野秀行(たかの・ひでゆき)/ノンフィクション作家。1966年生まれ。早稲田大学卒業。『幻獣ムベンべを追え』でデビュー。『ワセダ三畳青春記』で酒飲み書店員大賞、『謎の独立国家ソマリランド』で講談社ノンフィクション賞を受賞。『幻のアフリカ納豆を追え!』など著書多数。共著に『世界の辺境とハードボイルド室町時代』など。(撮影:梅谷秀司)
大学の探検部出身、「誰も行かないところに行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」をポリシーとするノンフィクション作家が、そのために学んだ外国語は25以上。「探検的活動の困難を語学で解決」してきた著者が語る、語学学習の神髄とは。
『語学の天才まで1億光年』(高野秀行 著/集英社インターナショナル/1870円/340ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──卒論でフランス語の小説を訳し、習得した日本人が極めて少ないアフリカの言語を学び、麻薬地帯潜入のためタイ語にミャンマー語、中国語、さらに現地の「ワ語」まで。25以上の言語を習得されたとは驚きです。

いえ、今でもある程度話せるのはそのうち6つか7つで、ほかはもう覚えていませんね。目的が達成されると使わなくなるので、忘れてしまうんです。

日本を代表する生態学者で『文明の生態史観』を書いた梅棹忠夫氏は「現地調査を終えると、そこで使った言語は忘れてしまう」と言ったそうですが、気持ちはわかります。

──それでも学習の軌跡を振り返ると、天才までの距離は1億光年よりはるかに近いのでは。

天才はやはり違います。本書では探検部の後輩にいた真の天才を紹介していますが、彼は単語を1回聞いたら忘れないほど記憶力がいい。日本語にはない微妙な音も聞き取れるほど耳もいい。実際に、天才のように語学を駆使します。私は1回どころか何回聞いても忘れてしまい、同じことを繰り返し練習して何とか習得してきたタイプ。天才ではありません。

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