セミナーレポート

サブサハラ地域におけるゲートウェイ ―南アフリカを起点としたM&A戦略と事業展開の展望―

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【講演5 (東京会場)】
「サブサハラアフリカの情報通信(ICT)ビジネスについて ―日本企業躍進へのキーワード―」

日本電気 海外事業企画本部 主席主幹
吉川 理裕 氏

通算7年にわたり南アフリカに駐在し、サブサハラを担当した吉川理裕氏は、情報通信ビジネスの観点からサブサハラ諸国の特徴を解説。昨今のインターネット普及を受け、携帯も含めた普及率が南アフリカを先頭にサブサハラ全体に急増し、経済発展を支える情報通信の成長市場として期待が語られた。

また成功事例として、南アフリカ国民ID、ナイジェリア・ラゴス州民IDへの生体認証技術の導入により、安心、安全、効率、公平な社会づくりへの貢献も紹介。これまでのアフリカ社会での通信とITの実績をさらに発展させ、社会インフラに不可欠なICTを活用するビジネスモデル(港湾や道路他)で現地の人材育成や技術移転も含め、地域に根差したかたちで関与し、サブサハラ地域の持続的発展に寄与したいとの展望を語った。加えて、エボラ出血熱対策の赤外線サーモグラフィの実演デモも行われた。

【講演5(大阪会場)】
「M&Aによるアフリカ市場攻略と成長戦略について」

関西ペイント 代表取締役社長
石野 博 氏

11年に南アフリカの企業を買収した関西ペイント。石野氏は、アフリカ市場参入の理由として、中間層人口の増加、豊富な資源のほか、一人当たり塗料消費量の拡大が見込まれることや、グローバル塗料メーカーの未参入などを挙げた。また、アフリカ事業の今後の展開として、低価格化とアフリカ全土でのシェア拡大、工業塗料や防食塗料など現地でのニーズに応え、建築塗料分野以外での対応も視野に入れていることを語った。

さらに、アフリカにとどまらず、世界を7極体制に分け、地域に根差した事業展開を行い、経営リソースの共有化と有効活用を推進することを明かし、講演を締めくくった。

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三菱東京UFJ銀行
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