サブサハラ地域におけるゲートウェイ ―南アフリカを起点としたM&A戦略と事業展開の展望―
三菱東京UFJ銀行、南アフリカ貿易投資庁
駐日南アフリカ共和国大使館、東洋経済新報社
【基調講演】
「南アフリカならびにサブサハラ経済の現状」
2年5カ月前に着任し、サブサハラ47カ国を担当している横井慶郎氏は、現地の経済動向について解説。南アフリカの名目GDPは日本の7%程度にすぎないものの、タイ、マレーシアなどのASEAN諸国に近い規模に成長していることを解説。ただ、欧州、中国における経済調整の長期化、さらに国内的には2012年以降の労働争議や最近の電力事情の逼迫などの影響を受け、景気が減速していることも指摘した。
投資動向としては、アフリカ域内の直接投資が倍増していることに注目。中でも南アフリカが約半分を占めていることから、サブサハラ経済をリードしている南アフリカの企業に対して、日本企業が提携、合併さらにM&Aなどを通じてアフリカでの事業展開を拡大することが重要であると語った。
【講演1】
「Gateway to Sub Saharan Africa」
アフリカ最大規模の金融グループFirst Rand Bank グループの資本市場部門を管轄するデイル・ウッド氏は、三菱東京UFJ銀行がFirst Rand Bank グループとのパートナーシップを提携したのは、アフリカにおける実績を評価されたためとアピール。同グループは、アフリカ11カ国でのビジネスを展開し、一昨年、昨年の「アフリカ・バンカー・アワード」を受賞。「アフリカで最もクリエイティブな金融機関」と自負した。
続いて、投資銀行部門を管轄するングギ・キウナ氏は、アフリカでのビジネス展開の魅力を解説。直接投資の拡大や人口の増大など経済が活発化している要因を語った。またヨハネスブルグをはじめ、都市化が急激に進行していることも需要を後押ししていると解説。長期的に持続可能なビジネス展開のためには生産、経営等の現地化が必要であり、現地でのプロセスを共にするパートナーの存在が不可欠だと語った。