オリックス・バファローズ森脇監督×
ソーラーフロンティア平野社長 Special対談 トップが語る「組織論」「リーダーシップ」「人材活用術」とは?

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個性を活かす組織運営には、
最低限のルール=行動指針が必要

――近年、ビジネスの世界では「ダイバーシティ(多様性)」がキーワードになっており、平野社長も「生き生きとした組織には、必ず多様な人材が必要だ」とされています。多様な人材を活かすためのポイントについてもお聞かせください。

平野 ぜひ森脇監督に伺いたかった部分です。莫大な野球競技人口のなかでプロになる一握りの選手は、大変な個性を持っているでしょう。その多様性を重んじながらもひとつのチームにまとめていくには、一般的な企業の何倍、何十倍というエネルギーが必要なのではと。

森脇 僕は選手の個性をとても大切にしていますが、一方でどの監督よりも厳しい部分があると思います。つまり、最低限のルールだけは絶対に守ってもらう。難しいルールは必要なくて、数少ない、簡単なルールを設けるんです。たとえば、統一契約書にサインをするということは、チームが発展するために100%の力でファイトする、という宣言でしょう。そこだけは、絶対に守ってもらわなければいけません。

逆に言うと、そこが守られていれば、あとのことは自由にしていてもチームとしての一体感は得られます。ですから、中島(裕之内野手)のモヒカンも大いにけっこう。ただ、新聞社の取材では「ヘルメットや帽子を被る時間が長いから周りに伝わらないし、あんまり面白くないね」と答えましたが(笑)。

平野 確かに試合中は目立ちませんね(笑)。当社でもこの一年、森脇監督がおっしゃった守るべきルール、行動指針を作ってきました。どんな時でも、チームワーク・チャレンジ・イノベーション・プロフェッショナルという指針に立ち戻るよう話をしています。そのことで、「太陽による快適でクリーンな暮らしをすべての人に」という、私たちが目指すソーラーフロンティアに到達できるのだと。ゆくゆくはこれがソーラーフロンティアのDNAとなり、社員がブランドを高めるために自然と自分を律し、動いていく形になればと考えています。

企業を永続的に発展させるための鍵は、変化にどれだけ機敏に対応できるかだと思います。特にクリーンエネルギーの分野はものすごいスピードで変化しており、それに乱れなく対応するためには、やはり今回お話ししてきた組織としての一体感が必要です。そして、申し上げたような行動指針をしっかり共有できていれば、皆が同じ方向を向き、変化に対して遅滞なく――あるいは変化を先取りして、動けるようになるのではないかと考えています。

――最後に森脇監督にとっては来たる新シーズン、平野社長はすでに新年度を走り出しているのですが、どのような思いで仕事に向き合っていくか、ということも聞かせてください。

平野 森脇監督にサインボールをいただきまして、そこには「今年こそ日本一」と書かれていました。われわれも同じ気持ちで、ソーラーフロンティアを業界で日本一の企業に育てていきたいと考えています。オリックス・バファローズさんと切磋琢磨しながら、お互い日本一になれたら素晴らしいですね。

森脇 本日も大変勉強になりましたが、他チームとの競争とはまた違う意味で、ソーラーフロンティアさんとも競い合いながら、悔いのないシーズンを過ごしたいですね。昨年以上になりふり構わず、挑戦者の意識を強く持って、勇敢に挑んでいきたいと思います。