高市早苗「スパイ防止法に近いものが求められる」 日本の技術情報はダダ洩れ、「早く止めなければ」

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高市早苗氏(自民党政調会長):社会保障費、教育費、研究開発費などは今年度かなり額を積んだ。絶対的に日本に必要な経費は削るべきではない。そうすると短期的には国債発行になる。何かを削って防衛費を増やすというよりは、基本的には日本の経済をしっかりと拡大していく、パイ全体を大きくして国防費をしっかり確保できる形を作っていくような積極的な経済政策が必要だ。防衛費対GDP比2%というのはあくまでも対外的に日本の強い意思を示すという意味で、それを念頭においているが、基本的には積み上げだ。必要なものを積み上げていったら、どちらにしても10兆円規模にはなっていく。防衛費の当初予算では、4割以上が人件費と糧食費だ。そして2割以上が燃料費や維持費。装備品に使える金は15.8%だ。新しい装備は必要だ。とくにスタンドオフ、非常に長距離から相手に反撃を行う力も当然必要だ。対空防衛も強化しなければいけない。研究開発費は非常に少ない3.2%、当初予算で見ると1600億円台だ。これから宇宙、電磁波、サイバーといった分野でそうとうな研究開発を行わなければいけないが、この部分が絶対的に足りていない。

防衛費の財源はどうするのか

松山キャスター:立憲民主党は防衛費に関して3日に発表した公約で、メリハリのある防衛予算で防衛力の質的向上を図ると盛り込んでいる。では、防衛費を仮に増やすとなった場合、財源はどうするのか。

小川淳也氏(立憲民主党政調会長):当面、国債を含めて財源確保していくのはやむをえないという立場だ。しかし、長期的には、所得税の累進性、法人税の応能負担、場合によっては相続税、さまざまな歳入改革を堂々と議論できる政治勢力が必要だという立場だ。経済成長で全部まかなえるなら、きれいでかっこいいことだが、この30年、それを言い続けてできなかったことだ。それで終わらせるのは議論としては無責任だ。

高市氏:コロナ禍前までのアベノミクスの成果はそうとう上がっていたと思う。

松山キャスター:税収の増加もあると。

小川氏:ただ、借金依存という本質的な体質からは抜け切れていない。

(画像:FNNプライムオンライン)

木村太郎氏(ジャーナリスト):一体、日本の防衛に何が必要なのかということを今度のウクライナの紛争から学ぶべきだ。もう21世紀型の戦争になっている。20世紀の武器はいっさい通用しなくなった。ロシアが負けているのがそれだから。

小川氏:サイバー戦とか情報戦を含めて。

木村氏:そうだ。ドローンの研究をどれだけしているのか。そのためにはいくら金がかかるのか。今度の戦争の仕方を見に防衛省は人をウクライナに派遣したのか。本当なら何十人という防衛省の人間があそこに行って、何の武器がどう使われ、何が効果的で何が効果的でなかったのかを見て来るべきだ。その報告書を待つ。そのうえで日本の防衛考えるべきだ。

高市氏:自民党内でずっと議論を積み上げてきた。スタンドオフ、相手の射程圏外から反撃する能力、相手の指揮統制機能を無力化するためのさまざまな装備が必要だ。例えば、衛星で言えば、アメリカには地上配備型の衛星攻撃システムがある。宇宙で衛星を破壊したら大変なことになるが、レーザー照射をして画像情報を得無力化する。情報の妨害だ。ジャミングなどで位置情報を攪乱する。それから電磁波。アメリカは相手の指揮統制機能、指令基地が地下にあっても、そこにある通信機器を無力化する、パソコンも使えなくする、こういった段階に入っている。衛星については、日本はすごく高い宇宙技術を持っているが、残念ながら普段から敵性衛星をチェックしたり、衛星の電波情報を取得したり、場合によっては、衛星に対する妨害を行ったりすることについて、法律に書き込まれていない。そういう装備もない。これから整えていかなければいけない分野だ。サイバーに至っては法改正まで必要になってくる分野だ。

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