「好きでもない仕事」を「楽しい!」へと変えるコツ 「まずやってみる」という気持ちを最優先させる

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そのときにもやはり、「矢印を外ではなく、自分自身に向けること」が重要です。しかも、明るくポジティブに自分に矢印を向けるのです。それこそが「自分を発明すること」であり、「すべての責任を自分で背負う覚悟で、何にも縛られない自由な発想や想像から、自分自身の人生を創っていく」という、発明への意思を持つことではないかと思います。

日本経済が高度成長期を経て停滞期を迎えると、仕事をやればやるほど収入が増えるような状況でもなくなり、効率的に仕事をしていくことがよしとされていました。

そして、モウレツに仕事をするよりも、仕事と生活のバランスをとることが大切だという考え方が広がってきました。

好きでもないこと、得意でもないことを仕事にしていたら、それが人生の楽しみにつながっていかないこともあります。ですが、自分の好きなこと、得意なことをベースに自らの専門性を生かせられれば、仕事はむしろ楽しいものになっていきます。

専門性を高めるために読書をしたり、人に会ったり、何かを観察したり調べたりするためにどこかに足を運んだり。そういった活動を業務時間外の朝や夜や休日を使ってしながらインプットを増やすのも楽しいことになっていきます。

場合によっては、趣味の延長線上にあるようなことだったり、人生を豊かにする交友関係の広がりにつながっていったりもします。

すでにある仕組みの上で頑張るのではなく、1人ひとりの「らしさ」や専門性が互いに結び付くことで、意義のあることや大きなことを成し遂げていける時代です。自分らしさに磨きをかけていけば、それは強さになります。自分自身の中に、小さくてもよいので「伸びしろ」を見つけて、それを起点に発明をしていくのです。

「らしさ」を磨いていくために

これからは「物質的な豊かさの時代」から「意味による豊かさの時代」になるので、その人らしさが暮らしや仕事に反映されているほうを選ぶべきです。仕事にも「らしさ」が発揮されるように、「その人ならではの強み」に磨きをかけていきたいものです。

その際に邪魔をしてくるのが、「誰かや何かと比べてしまう気持ち」です。人は人、自分は自分なのに、いつのまにか比べてしまう。そんなことありませんか?

誰かや何かと比べてしまうと、自分自身を見失ってしまいます。得意でもないことに一生懸命になったり、似合わないことをやっていたりします。そういうときは自分らしい強みも発揮されず、磨かれず、可もなく不可もないアウトプットが生まれていきます。夢中にもなれていないでしょう。

好きなこと、得意なことが自分の強みとして生かされるのかどうかわからない。そう感じるときは、とにかく、常識的な感覚を超えるレベルまでやってみることで、見えてくるものがあります。

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