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大学新興の切り札「10兆円ファンド」のギャンブル 異例の「財政投融資でリスク運用」に懸念噴出

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大学ファンドの運用を担う科学技術振興機構。科学技術の振興や人材育成を目的に設立された独立行政法人だ (撮影:今井康一)

「世界と伍する研究大学を作るため、研究力に加え、研究と経営の分離、若手研究者の登用など、先端的なガバナンスを導入する大学に対し、10兆円の大学ファンドで支援します」

2022年1月、岸田文雄首相は所信表明演説でこう強調した。10兆円という超巨額の資金を運用し、その運用益を大学支援に充てる目的で創設された「大学ファンド」。菅義偉政権時代の「骨太の方針」にも組み込まれ、続く岸田政権でも肝煎りの政策として掲げる。

巨額マネーに期待感も高まる

近年低迷の一途をたどる日本の研究力向上の起爆剤として注目を集めるだけでなく、株式市場では資産総額約200兆円のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)には及ばないものの、巨額マネーが市場に流れ込むことへの期待感が高まっている。

大学ファンドは2021年度から巨額の資金を運用し、その運用益を大学の研究費などに充てるスキームだ。補正予算1.1兆円を政府出資とし、さらに財政投融資4兆円と合わせて5.1兆円の規模で運用を始める。2022年度には財政投融資約4.9兆円が加わり、計10兆円の規模となる。この10兆円を使って、運用開始から5年以内に年間3000億円もの投資収益(ペイアウト)を捻出しようとしているのだ。

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