「東急ハンズ」を飲み込む巨人カインズの腹づもり ベイシアグループ初の大型買収は吉と出るか
“お騒がせしておりますが、私は元気です”
記者会見が行われてから数時間後、12月23日の深夜、東急ハンズの公式ツイッターはそうつぶやいた。
ホームセンター国内最大手のカインズが東急ハンズを飲み込む――。ハンズに馴染みのある人からすると、この組み合わせに驚いたかもしれない。
カインズは12月22日、東急不動産ホールディングス(HD)傘下の東急ハンズを2022年3月に完全子会社化すると発表した。同日に開いた会見でカインズの高家正行社長は「契約交渉になる前から、シンパシーを感じていた。両社の目指すDIY文化は非常に似ている」と強調した。
グループ社員らも青天の霹靂
郊外を軸に227店舗を展開するカインズは、作業服チェーンのワークマンなどを抱えるベイシアグループの中核企業だ。
ワークマン以外は未上場のため、経営実態はあまり知られていない(詳しくは、「群馬の巨人 ベイシアグループの正体」)。現在は創業者の長男でカインズ会長を務める土屋裕雅氏(55)が、2代目としてグループを舵取りしている。2020年に行った東洋経済のインタビューで裕雅氏は「ある部分を強くするためのM&A(合併・買収)はどうしても必要になる」と語っていた。
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