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米議会予算局の憂鬱 失墜する財政の「目付け役」

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  • 安井 明彦 みずほリサーチ&テクノロジーズ 調査部長
バイデン大統領はインフラ投資法など巨額の公共事業を計画。財政悪化が懸念されている(Sarahbeth Maney/The New York Times)

米国に、議会予算局(CBO)と呼ばれる議会の付属機関がある。法案が財政に与える影響を試算して、財政の目付け役として議会の立法作業を支えている。だが、ここにきてその権威が揺らいでいる。

CBOは議会が1974年に創設した。その狙いは政権による独善的な財政運営を阻止することにあった。70年代の米国ではニクソン政権が議会で定められた予算の執行を拒むなど、議会を無視した財政運営が横行していた。議会が政権に対抗するに当たり、理論武装のための組織として立ち上げたのがCBOである。それ以来、中立的な専門家の集団であるCBOは、法案の費用を見極める目付け役としての権威を保ってきた。いくら政権が「この政策を進めても財政赤字は増えない」と言っても、CBOの試算で裏づけられなければ誰も信用しようとはしなかった。

実際に過去の政権は、CBOのお墨付きを得ようと必死だった。例えばオバマ政権は、公約である医療保険制度改革(オバマケア)を進める際に、改革による財政負担の重さをCBOに何度も指摘され、そのたびに提案の修正に取り組んだ。いら立ったオバマ大統領は、ホワイトハウス内でCBOの名前を出すことを禁じ、「バナナ」と呼ぶよう命じたという。

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