「金融商品の販売でも顧客本位とはいえない営業があった」
みずほ銀行の営業担当者は、声を潜めながらこう語る。
金融商品の販売をめぐっては、2017年に金融庁が「顧客本位の業務運営に関する原則」を公表した。これを受けて、各行はいわゆる回転売買を助長する販売手数料のノルマを廃止。代わりに、顧客の資産残高の増加幅を目標に置くなどの対応を進めてきた。
これにより各社の金融商品販売は停滞気味で、預かり資産残高も伸び悩んでいる。ところが、みずほの20年度決算だけは様子が違った。残高も収益も大幅に伸びていたのだ。

これは、「行員の評価項目から一度なくなったはずの販売手数料が、20年度に復活した」(前出の営業担当者)からだという。
評価につながることから、「売りやすい商品はガンガン営業をかけた」「似たような商品を持っている人に、乗り換えを勧めた」(同)というのだ。
こうした戦略を率いたのは、みずほ証券の副社長で、持ち株会社のリテール・事業法人共同カンパニー長でもある福家尚文氏といわれている。
福家氏は旧日興証券出身で、16年にみずほ証券に入社。20年4月にカンパニー長に就任した人物だ。
複数の関係者によれば、福家氏は「顧客本位とはいえない従来の営業スタイルを得意としてきた」ことから、「今回の戦略も福家氏の影響だろう」(金融関係者)との声がもっぱらだ。
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