中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)をめぐる動きが慌ただしくなってきた。
国際通貨基金(IMF)は7月末に公表した論文で、各国のデジタル通貨への移行を管理・支援する考えを打ち出したが、そこで実験中の中国・デジタル人民元と並んで名を挙げられたのがバハマの「サンドドル」だ。現在、約110カ国が研究・実験中とされるCBDCの中で、サンドドルはバハマ中央銀行が2020年10月20日に発行を開始した世界第1号だ。
人口約40万人のカリブ海の小国バハマは観光業と金融業を主力とし、1人当たりGDP(国内総生産)は約3.5万ドル(19年、世界銀行)とイタリア並みだ。携帯電話や銀行口座の保有率は9割を超える。ただ群島ゆえ、国民の銀行支店へのアクセスは不便だった。
サンドドルの利用では、ユーザーは好みの中銀認可決済サービス業者を選び、銀行口座を含む個人情報を入力してアプリをダウンロードするだけ。使い勝手は一般的なキャッシュレス決済と同様だ。
個人用の場合、ウォレットへの入金は8000バハマドル(約88万円)までに制限され、1カ月の取引金額は1万バハマドルが上限。より上限額の大きい商業用や銀行口座とひも付けず上限額の小さいビジター用もある。オフライン機能を持ち、島々の通信が途切れた際は端末だけでの決済処理も可能だ。
バハマ中銀は全体の決済インフラを担当。フロントエンドのアプリ開発は民間に任せ、小口融資など新サービスの連動を促す。群島での金融包摂やサービス向上、資金洗浄対策を導入の狙いとする。
脱ドル化の狙いも
バハマから約1週間遅れ、昨年10月28日に発行を始めたカンボジアのCBDC「バコン」は、サンドドルと趣を異にする。カンボジアも携帯電話保有率9割以上だが、銀行口座保有率は約2割と低い。
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