世界中に蔓延する新型コロナウイルスはSDGsの進捗にも影を落とす。
SDGsの目標3は「すべての人に健康と福祉を」。実はこの目標のターゲット3.3に「感染症への対処」が明記されている。皮肉にも新型コロナによるパンデミックでこの目標の重要性が裏付けられる形になった。
貧困、飢餓、教育……。この1年以上に及ぶパンデミックにより、世界のSDGsの進捗は明らかに停滞した。2030年までの目標達成は困難ともいわれる。経済や産業の側面で象徴的なのは、グローバル企業におけるサプライチェーンの寸断であり、世界中でモノが生産できない、供給できないという事態に発展した。
衝撃はそれだけではない。国際エネルギー機関(IEA)によると、20年の全世界のCO2排出量は前年との比較で約6%減だったが、世界では「ロックダウンを断行して経済を止めてもこんな程度なのか、という見方が強い。結局、データセンターなどITで使う電気が増えており、将来も再生可能エネルギーだけで需要に対応できるのかどうか、疑問が広がる形になってしまった」(日本総合研究所創発戦略センターの村上芽氏)。
日本では非正規雇用の問題や外国人労働者の問題が浮き彫りになり、政府の政策的な支援も十分でないことが認識されてきた。
ただ、SDGsに関連して、日本の経済界で注目すべき動きが見られるのも確かである。「ポストコロナに向けて、グレートリセットから大変革期に入ってくる。その羅針盤としてSDGsを使う企業が増えている」(千葉商科大学の笹谷秀光教授)。
SDGsという共通言語
例えば目標8の「働きがいも経済成長も」。この目標達成には、新型コロナを契機に加速する働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)がカギとなる。目標9は「産業と技術革新の基盤をつくろう」。バイオテクノロジーやヘルスケアビジネスなどの成長と重ね合わせることができる。
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