狙いは経済安全保障なのか。それともきな臭い政局か。自民党内で相次ぐ議員連盟設立の動きに耳目が集まっている。
導火線に火をつけたのは、5月21日の半導体戦略推進議員連盟の発足だった。半導体は情報通信機器や最新鋭戦闘機にも使われる経済安保の要。中国に頼らないサプライチェーンを構築するよう米国からも要請が来ていたとされ、党内に議連ができること自体は不自然ではない。
だが、そこに並んだ顔ぶれがきな臭い臆測を招くことになった。最高顧問には安倍晋三前首相と麻生太郎副総理・財務相が就任し、会長には甘利明税制調査会長が就いた。この3人は菅義偉官房長官(当時)と合わせて安倍政権時代に「3A+S」と呼称された政権中枢メンバー。
会場にメディアがいることを承知で、麻生氏はわざわざ「A(安倍)、A(麻生)、A(甘利)。3人そろえば、何となく政局という顔」とうそぶき、笑いを誘った。
念頭にあるのが同議連に招かれていない二階俊博幹事長だ。党の最重要職である幹事長ポストに居座り続ける二階氏には、他派閥から不満の声が高まっている。
昨年9月の総裁選前、他派閥に先駆けて「菅支持」を表明し、菅氏圧勝の流れをつくったのは二階氏だった。一方、「3A」が所属する細田派や麻生派は出遅れた。その結果、幹事長には引き続き二階氏が就いたという経緯がある。
今秋までに行われる衆院選の後には内閣改造・党役員人事が控える。安倍氏が所属する細田派や甘利氏が所属する麻生派には、次の人事で二階氏を幹事長から外したい思惑がある。中国警戒論がかつてなく強まっている今は、中国要人と太いパイプを持つ二階氏を追い落とすには絶好のタイミングなのだ。
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