航空機の機体やエンジン、鉄道車両、大型バイクなど多様な事業を抱える川崎重工業。中でも三菱重工やIHIと同じく米ボーイング向けを中心とする航空機関連が大きな収益源だが、それが激減した影響は大きい。
2021年3月期は航空宇宙システム部門だけでなく、大型バイクを含むモーターサイクル&エンジン部門なども赤字に転落する見通しだ。事業領域は広いものの、もともとトップシェアを握る事業が少なく、安定した収益基盤が見当たらないのが悩みの種だ。
そうした中、20年6月に就任した橋本康彦社長が成長分野として掲げるのが、自らの出身である精密機械・ロボット部門だ。コロナ禍でもこの部門は比較的堅調を維持している。
自動化へのニーズも高まっており、自動でPCR検査が行える装置や手術支援ロボット(医療機器メーカーとの合弁)を開発していく。「コロナの時代に技術力で貢献したい。自動PCRが普及すれば航空需要も喚起できる」(橋本社長)と鼻息は荒い。

祖業の造船にも大ナタ
一方、変革が遅れていた祖業には大ナタも振るう。中韓勢の価格攻勢で厳しい造船事業。それを含む船舶海洋部門を21年4月にエネルギー・環境プラント部門に統合し、水素社会の到来を見据えた水素運搬船や水素エンジンなどを強化する体制に変えていく。
この記事は有料会員限定です
残り 378文字
