1月20日に発足する米バイデン新政権の経済政策で最大の焦点といえるのが対中政策だ。
トランプ政権は政権交代を目前に、中国の半導体、ドローン大手への事実上の禁輸措置を発動するなど、対中制裁を連発している。ロス商務長官は「中国の不道徳で脅迫的な行為は米国の安全保障と同盟国の主権を害している」と中国を強く批判。新疆ウイグル自治区などでの人権侵害、南シナ海の軍事拠点化、企業秘密の窃取などを制裁理由に挙げる。
米輸出管理法を基にしたエンティティーリスト(EL)への中国企業指定はすでにファーウェイなど5G関連、センスタイムなどAI関連、今回のSMICなど半導体関連と先端技術を網羅。米国の技術を使った国産化阻止に狙いがある。中国も輸出管理法を施行し対抗。先端技術をめぐる米中デカップリングは加速している。
バイデン氏は習近平国家主席を「100万人のウイグル人を収容所に入れた悪党」と呼び、香港の国家安全維持法を含めた中国の人権抑圧を強く批判。「米国の市民と企業の自由が侵害されればすぐに経済制裁を科す」と、強硬姿勢を示している。また、トランプ政権による対中制裁関税をすぐには撤回せず、まずは第一段階の米中合意を検証し、同盟国と協調して新たな対中戦略を策定する方針だ。
対中強硬論は超党派
新政権の対中政策を占ううえで参考になるのが、新米国安全保障センター(CNAS)による最近の論文だ。同センターはオバマ政権で国防次官だったフロノイ氏と国務次官補を務めたキャンベル氏が設立した超党派シンクタンクで、理事のヘインズ氏は次期国家情報長官に指名された。
「中国の新5カ年計画に米国はどう対応すべきか」という論文では、中国が「5中全会」で強調した「科学技術の自立」に対し、新たな戦略が必要と説く。これまで米国は「中国製造2025」に脅威を感じ、EL追加や対米外国投資委員会(CFIUS)の審査強化などで中国封じ込めを図ったが、今や中国は技術自立の道を邁進中と指摘。規制強化だけでなく、自らがイノベーションを強化せねば中国に侵食されると警告する。
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