私は『会社四季報』の分析を中心にした投資ノウハウを教える、「複眼経済塾」の塾頭を務めている。ここでは四季報夏号(2020年3集)で塾生たちに教えたことの一部を誌面で講義する。
四季報は投資アイデアの宝庫だ。隅から隅まで読むべきだ。3800銘柄ほどの上場銘柄分析に目が行きがちだが、3カ月ごとに買ってまず読むべきは冒頭の2ページ目と3ページ目。ここで今、日本の企業はどういう状況になっているか、全体観を把握する。
下に示したのは四季報夏号2ページ「【見出し】ランキングで見る業績トレンド」の抜粋。四季報は全銘柄の記事の冒頭部分に【増益】【減益】といった見出しをつけている。各号で多いものをランキングしたのがこの表だ。

3集では【反落】が最多。以下、5位の【横ばい】、7位の【横ばい圏】以外の8つはすべて悪化を示している。前号の春号で悪化を示すのは9位の【反落】だけだったのとは対照的だ。
これを見て思うのは「四季報の今号は面白い。絶好の投資機会だ」ということ。これだけ悪いことが並ぶと、「陰の極」といって株価が大底圏にあると判断できる。逆にポジティブな言葉ばかりのときは株価が高値圏にあると警戒する。
上図表下段に示した四季報夏号3ページの「市場別決算業績集計表」も毎号必ず見ている。すべての上場企業の業績を概観できる。ここでわかるのは、前期1.3%減だった売上高が、今期は8.2%減と減収幅が拡大するにもかかわらず、営業利益は前期23.7%減に対し今期は16.0%減と減益幅が縮小すること。
これは投資タイミングとして「非常においしい」。各社は急に売上高が減る中、費用削減を加速している。固定費を抑えコスト構造を変えてきている。そのため今後、売上高が回復してきたら利益はぐんと増える。だから集計表でも来期の営業利益は36.2%もの大幅増益を見込んでいる。
この記事は有料会員限定です
残り 779文字
