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政治・経済・投資 #安倍長期政権の「光と影」

効果が出なかった経済政策 「デフレ脱却」という目標設定が間違い

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  • 木内 登英 野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト

アベノミクスに明確な政策効果はなかった。雇用を増やしたとされるが、これは世界経済が長期的に回復したことが大きい。それによって円安株高が実現して相乗効果もあった。日本の経済政策が国内経済を大きく押し上げる効果は見られなかった。世界経済の回復が長期にわたったことが長期政権を生んだ。

アベノミクスの3本の矢のうち、1番目の金融政策と2番目の財政政策は弊害が大きかった。3番目の成長戦略は本来やるべきことだったが、効果を出せなかった。

アベノミクスの間違いは、第1の矢である金融政策の主な目的を「デフレ脱却」に据えたことだ。真正のデフレであればそれは確かに大きな問題だが、リーマンショック後の日本の物価下落は年率0.2〜0.3%とわずか。統計の歪みを考慮すると、物価の変動はゼロというのが実態だ。

「デフレ脱却」を政策の中心に据えたことで、「需要創出」が必要だということになり、日本銀行はインフレ率2%の目標を掲げて金融緩和を続けた。政策金利がゼロ近辺で有効な効果が見込めない(ゼロ金利制約)中で、国債を532兆円、株を33兆円買って、日銀のバランスシートは膨張した。弊害はこれから現れてくる。

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