経済活動や移動の制限が緩められる中で、クラシック界でもイベント再開の動きが活発化してきた。先日もロンドン在住の日本人ピアニストから「7月に日本でリサイタルを行うことに決めました。到着から2週間は自宅で自粛ですけどね」と苦笑交じりの連絡が入ったばかりだ。
そこでふと心配になったのがコンサートのプロモーションだ。新型コロナウイルス発生以前のクラシック界では、コンサートが行われる会場での宣伝告知に重点が置かれていた。とくに首都圏においては、コンサートホール入口でどっさり配られる公演チラシの束と、会場内に置かれたフリーペーパーが主要なメディアだった。
メディアという意味では、新聞やクラシック専門誌などの有料メディアや、インターネット上での告知効果も無視はできない。だが、コンサート会場に足を運ぶ、より親和性の高い人々への直接訴求が効率的であることは言うまでもない。また、これも重要な点だが、チラシやフリーペーパーは無料だ。
公演チラシへの愛着
インターネットを用いて興行情報に無料でアクセスできるのは、今や当然のことだが、クラシックファンには高齢者が多い。同じ無料なら、紙媒体のほうに手が伸びる。高齢のファンたちにとって、若い頃から慣れ親しんできたチラシへの愛着は格別のものだ。
この記事は会員限定です
残り 501文字
