6月初旬、横浜銀行の営業担当者は、ある自動車関連メーカーの社長と面談していた。年商20億円規模の企業で財務体質も健全、横浜銀行がメインバンクを務め、長年運転資金を貸していた融資先だ。
だが、このメーカーもご多分に漏れずコロナ禍の影響を受けていた。発注がなくなり、一部の工場を停止せざるをえなくなったのだ。幸い数年分の運転資金を確保していたため、すぐに破綻するような状況ではなかったが、社長は「当面は乗り切れるが、長期化すると不安だよね」と漏らしたという。
この言葉を聞いた担当者は、すぐさま「ビジネスエクイティーローンという商品があります」と提案。劣後ローンと呼ばれるもので、返済順位が通常の融資と比べて劣るため、資本に近い性格を持つローンだ。
条件は無担保・無保証で最長15年元本返済なし。さらに期日一括返済のため、長期間にわたり返済の必要がない。また、金利設定も業績連動型で、赤字の場合には利子負担が大幅に軽減される。
コロナ禍によって一時的な赤字に陥り、自己資本が毀損した場合の手当てとしてはまさにうってつけの設計だ。メーカーの社長は「これは助かる」と2億円分契約したという。
当面の資金繰りにメドがついても、自己資本が毀損してしまっては再建を果たせない。そのため、政府は第2次補正予算で、日本政策投資銀行を通じた劣後ローンによる資本支援策を盛り込んだ。
だが、地方銀行がこうした取り組みをするのは極めて珍しい。
「アフターコロナになっても、すぐに需要が戻ってくるわけではない。そういうときこそ、われわれ銀行が活躍する場面だと思っている」と横浜銀行の大矢恭好頭取は語る。
一方、地域企業の事業を支援しているのが、山口フィナンシャルグループ(FG)だ。
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