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ライフ #人が集まる街 逃げる街

伊豆への入り口の港町 沼津市 [静岡県]

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  • 牧野 知弘 不動産事業プロデューサー
駿河湾に面し、狩野川が流れる沼津市街。沼地が多く地盤が軟弱という悩みを抱える(提供:沼津市)

静岡県沼津市は伊豆半島の付け根にある人口約19万4000人の街である。沼津は江戸時代、駿河国・沼津城の城下町であったが、東海道の宿場があったこと、伊豆への入り口に位置したこと、また良好な港である沼津港を擁したことなどから、城下町としてよりも交通の要衝かつ商業の街としての色合いの濃い街だった。

明治期になると温暖な気候と首都東京との地理的な近さで人気となり、華族や財界人、芸術家・作家などが週末滞在用の瀟洒(しょうしゃ)な家を建て、別荘地としても発展した。今ではあまり知られていないが、皇室も1893年から1969年までここに御用邸を所有していた。

沼津にはJR東海道本線が走る。今でも沼津駅を始発に東京駅を経て宇都宮線の古河や小金井、宇都宮などまで直通運転されている。またJR御殿場線は沼津駅を起点に御殿場を経由して東海道線国府津駅に至る。道路事情も悪くない。東名高速道路、新東名高速道路、国道1号が市を東西に横切る。

だが交通の要衝であったはずの沼津は、高度成長期の日本の経済発展からやや取り残された。それには原因がある。東海道新幹線は熱海から函南(かんなみ)まで新丹那トンネルを通ってくるが、沼津駅方面ではなく三島へ向かい、沼津駅を避けるように新富士駅に達する。沼津駅周辺は地盤が弱く、新幹線の高架の建設が難しいとされたためだ。

名前にもあるとおり沼津は市内に狩野(かの)川が流れて沼も多く、地盤が軟弱であることで有名だ。そしてこの弱点は60年代に沼津や三島を候補地として石油化学コンビナートの整備が2度にわたって計画されるも途中で撤回される原因の1つとなったといわれている。

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