新型コロナウイルス対策が日増しに強化されており、その影響はクラシック界にも波及している。発端は、2月26日に政府が発表した「感染の拡大防止に向けた、今後2週間の大規模イベントの中止や延期、規模縮小等の対応要請」、実質上の“自粛”要請だ。これを受け、国や地方自治体関連のイベントが次々と中止になったことにより、クラシック界全体がにわかに騒がしくなった。
新国立劇場は2月28日から3月15日までのすべての主催公演を中止。1982年以来の歴史と伝統を誇る「東芝グランドコンサート」も、2月28日から3月10日まで開催予定だった「第39回公演」の中止を発表した。桜の時期の上野を彩る「東京・春・音楽祭」も、音楽祭の柱の1つである「リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミー in 東京」は開催延期、無料のミニコンサート「桜の街の音楽会」は中止となった。同様の告知が日を追うごとに増えているのが現状だ。
しかしそこには大きな戸惑いも感じられる。公演中止となれば、払い戻しなどを含めた公演主催者の負担は甚大だ。このためらいと、“自粛”という不確定要素がクラシック界全体の足並みを乱している。収穫直前の果実が次々と落下していくような今の中止状況は、あまりにも切ない。
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