「就職が難しいと言われてもピンとこない」。氷河期世代とは対照的に、超売り手市場の中で就職活動を経験したのが「ゆとり世代」だ。
2002年に導入された「ゆとり教育」は、詰め込み教育を是正して思考力を重視し、学習時間や内容を減らした。その教育を受けたのが1987〜03年度生まれの人たちで、ゆとり世代と呼ばれる。18年度からは、小中高すべてをゆとり教育で過ごした「フルゆとり」世代が大学を卒業し、社会に出ている。
ゆとり世代というと、「根性がない」「指示待ち」に加え、「すぐに会社を辞める」というイメージが強い。だが、データ上では下図のとおり、ゆとり世代の離職率は高くなっていない。むしろ、やりたい仕事と就職先のミスマッチが多発した氷河期世代より、3年以内離職率は低位だ。

ただ、就職や転職に関する価値観には氷河期世代と明確な違いがある。人材サービスのエン・ジャパンで管理職研修や新入社員研修を手がける横田昌稔シニアコンサルタントは、「就社から就職への意識変化が顕著だ」と言う。
ゆとり世代は、バブル崩壊後、景気悪化の中で育ち、日本企業の凋落を目の当たりにしたため、大手に入れば安泰という意識が薄い。足元の賃金の上昇は鈍く、今後も人口減で経済の見通しは明るくない。漠然とした将来不安を抱える中で、「会社に頼らず生きていけるスキルを身に付ける」(20代男性)ために、その仕事で得られる経験を重視する傾向がある。
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