テレビなど家電製品で日本勢が韓国や中国のメーカーに追いやられて久しいが、その後の成長戦略で巧拙がはっきり表れるようになってきた。明暗がとくにくっきり分かれているのが、ソニーとパナソニックだ。
ソニーは2019年3月期、前年に20年ぶりに更新した営業最高益をさらに上回る8942億円の営業利益を達成した。20年3月期も半導体部門が予想以上の活況で、全体としては高水準を維持する見込みだ。好調な業績に反応し、株価も上昇傾向だ。11月末には12年半ぶりに7000円台の大台に乗せた。

「従来の高級品に加え、中低価格品でもカメラの多眼化、大判化が進んでいる」。10月30日の19年4〜9月期決算発表会見で、十時裕樹CFO(最高財務責任者)は、半導体の主力商品であるCMOSイメージセンサーが好調な理由をそう説明した。スマートフォン向けでの圧倒的なシェアを追い風に、18〜20年の3年間で予定する半導体への設備投資は8000億円に上るが、この日さらに1000億円で長崎工場に新棟を建設することを表明した。
6月には米国のヘッジファンド、サードポイントが半導体部門の分離・上場を求め公開書簡を発表したが、ソニーは「保有し続けることが、ソニーの長期的な企業価値の向上に資する」と反論。半導体を成長の源泉に据える。
最大の稼ぎ頭であるゲーム部門でも20年の年末商戦で現行機種から7年ぶりとなる新型機「プレイステーション5」を投入予定だ。定額制クラウドサービス「プレイステーション ナウ」を刷新するなど、ハードウェアに頼らないビジネスモデル追求にも余念がない。
パナは容赦なきリストラ
一方、パナソニックは足踏み状態が続く。津賀一宏社長は「21年度までに赤字事業を撲滅する」と明言し、19年は不採算事業に対する容赦なき「リストラ」を断行した。11月に、9年間で累計2000億円近い赤字を計上している液晶パネルについて21年をメドに撤退、5期連続赤字の半導体事業を台湾企業に売却すると発表した。
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