不動産活況の前途|「我が世の春」の持続力
「懸念はない」。大手不動産会社幹部がそう言い切るほど、不動産業界は空前の好景気に沸く。都心の賃貸ビルで1フロアの面積が50坪を超える大型ビルの空室率は1%を切る水準にまで低下。賃料も2012年以降ジリジリと上昇を続ける。

賃貸ビル市況を下支えするのは企業業績の回復だ。投資余力が生まれたことで、古いビルからグレードの高い新築ビルへ移転したり、分散していた拠点を1カ所に集約したりする動きが盛んだ。人材確保のため、立地やデザイン、設備などが魅力的なオフィスに移転する需要も生まれ、「費用」であるはずのビル賃料は「投資」的意味合いが強まりつつある。
シェアオフィス(複数社で1カ所のオフィスを共用する形式)の勃興も追い風だ。オフィスに通勤する必要のないテレワークが普及した一方で、首都圏の至る所にシェアオフィスが出現している。ビル1棟を借りる場合もあり、賃貸ビルの需要はむしろ強まっている。20年も大型ビルの竣工が相次ぐが、すでにテナントの内定しているビルがほとんどだ。
賃貸ビル以外の物件も同様に活況を呈する。10月にはドイツの保険大手・アリアンツが日本の賃貸住宅82棟を取得するなど、海外資本の流入も活発だ。東証REIT指数も12年ぶりの高値圏で推移する。「今の不動産マーケットは08年のリーマンショックのような懸念要素を探すほうが難しい」(米不動産サービス大手・JLLの内藤康二・リサーチディレクター)。
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