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オフィスビルの需要は旺盛だ オフィスビル|Interview|三菱地所 社長 吉田淳一

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よしだ・じゅんいち 1958年福岡県生まれ。82年東京大学卒業、三菱地所入社。2007年人事企画部長、14年常務執行役員、16年取締役執行役常務などを経て、17年4月から現職。(撮影:梅谷秀司)

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東京都心では2018〜19年に大型のオフィスビルが相次いで竣工。需給バランスが崩れ市況が悪化するのではと懸念されていた。だがいざふたを開けてみると、空室は増えるどころか減る一方。好調は20年も続くのか。

──好調な需要は続きますか。

オフィスビルのニーズは依然として旺盛だ。既存テナントの将来的な床面積拡大のため、つねにある程度の空室を確保することが必要だが、それが難しくなっている。スタートアップをはじめ元気な企業が人材採用を増やし、オフィスを増床しているためだ。海外企業が日本に拠点を設ける需要も根強い。優秀な人材の確保のため、優れたオフィス空間に対する引き合いは一段と強まっている。

働き方改革でオフィス需要が減るといわれていたが、密にコミュニケーションを取る需要は変わらない。オフィススペースが減ることは今後も考えづらい。

建て替えありきではない

──おひざ元の大丸有(大手町・丸の内・有楽町)の開発方針は。

エリアの魅力を高めるためどんな要素が必要か、検討を重ねていく。「ここに来たら新しい刺激がある」という街にしていきたい。

(今後再構築に向けて動き出す)有楽町については、大手町や丸の内とは異なる消費者向けのエンターテインメント要素が必要だろう。銀座とのつながりも意識し、銀座に来たら有楽町まで足を延ばそうという流れになればいい。

効率性を追求したビルに建て替えたり、エリア内のビルをやみくもに取得したりするよりも、管理や運営を通じてエリアに関与できる範囲を広げていく。エリアの発展に寄与するならば、持ち分の一部を売却し、その資金で別の投資をすることもやぶさかではない。

──スタートアップの育成にも取り組んでいます。

古いビルにリノベーションを施して小割りのオフィスにしたり、交流を促すイベントスペースを創設したりしてきた。大手町や丸の内にはプロフェッショナルファームや総合商社、金融機関などの大企業が集積している。大企業の新規事業担当の人が集まって、新たな事業が生まれている。BtoCよりもBtoBの交流が活発という点で、大丸有エリアの価値は高い。渋谷だけではないぞ、と。昨年にはシェアオフィス大手のウィーワークを誘致し、大手町や丸の内とは縁遠かった若者が訪れるきっかけになっている。

一方で、当社がシェアオフィスを展開するかといえば、ほかにもっとやるべきことがあると考えている。シェアオフィスは多くのスペースを借りる必要があるうえ、運営も簡単ではない。われわれは個々のテナントが何を求めているのか、じっくり考えながら進めていきたい。

──物件の含み益が膨らみました。

ビルを切り売りしたらいくらになる、という机上の計算と街づくりは違う。不動産は唯一無二。われわれは金銭換算をするよりも、社会的使命を持って街を開発すべきだと考えている。運営や管理を通じて街づくりを進めることの付加価値を、株主にも訴求していく必要がある。

(聞き手 一井 純)

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