不正融資問題が発覚し、2019年3月期に971億円の巨額赤字に転落したスルガ銀行。11月14日、25年度を最終年度とする中期経営計画を発表したが、有國三知男社長が「再建の道筋が固まったとは考えていない」と述べたように、その道のりは厳しい。
昨年10月に金融庁から業務停止命令を受けてから1年余り。今年10月に、最大の課題だった創業家問題をようやく解消。不正の温床をつくった創業家らが保有する株式を家電量販店のノジマが買い取る形で決着した。
個人向けローンに特化した独自のビジネスモデルで成長し、地方銀行の中では別格とされてきたスルガ銀行だが、裏では不正が横行していた。コンプライアンス体制を再構築し、経営陣が中期計画で今後の収益の柱に何を据えるのかが注目されていた。
だがその内容は、銀行業界の厳しい環境を打開する妙手が存在しないことを改めて示すものだった。結局、中核にするのは、これまでと同じ個人向けローン。地元の静岡、神奈川で無担保ローンや資産コンサルティングを行い、首都圏で住宅ローンや投資用不動産ローンを中心とする点も変わらない。
変えていくのは顧客の属性だ。これまで対象としてこなかった富裕層にもアプローチし、ミドルリスク・ミドルリターンの事業モデルを目指す。従来よりもリスクを抑えることで、利回りは当然低下し、収益も落ちてしまう。
「第1フェーズ」の最終年度と位置づけた22年度の計画は、連結当期純利益70億円と、19年度予想の155億円から半分以下に落ち込む。
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