年に1度の提出が義務づけられる有価証券報告書(有報)。ここに決算短信にない貴重な情報が眠っているのをご存じだろうか。
例えば社員の平均年齢と平均年間給与。最近はキーエンスの高給が話題だが、その情報源は有報だ。2019年3月期は35.8歳で2110万円だった。「従業員の状況」では平均勤続年数や従業員数も知ることができる。
ただ、平均年間給与はあくまで上場している会社単体の平均で、連結全体ではない。上場しているのが純粋持ち株会社など、連結と単体で人員構成の乖離が大きすぎる場合、注意する必要がある。
また役員報酬も有報のみの開示項目になる。「役員報酬等」には、1人で年1億円以上もらっている役員として、誰が何の名目でどのくらいもらっているかわかる。
今年8月5日に上場を廃止したユーシン。4億円の最終赤字を計上した14年11月期、当時トップの田邊耕二会長兼社長が14億円もの役員報酬を得ていたことがわかり、後に株主代表訴訟が提起される騒動にまで発展した。
役員報酬は全員の総額を株主総会で決議し、配分は取締役会一任が一般的だ。報酬委員会がなくトップの権限が強いと、極端な配分になるおそれがある。株主から追及されやすいポイントだが、総会前に公開されないと、それも1年先になってしまう。
保有賃貸不動産の含み益も有報独自の開示項目だ。「賃貸等不動産関係」には、期末の時価と簿価(貸借対照表計上額)が載っており、差額がプラスなら含み益。三井不動産は19年3月期末で2.7兆円の含み益を保有する。
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